六本木のイタリアン、『ラ・スフォリーナ』で彼女と過ごす楽しいランチの続き。
彼女の前菜は、ホロホロ鳥とキノコの蒸し焼き。
前回のホロホロ鳥のクリームソース煮と同じく、意表をつく見た目。
私の前菜は、天草直送ヒラメのカルパッチョ。
ヒラメの身が締まっていて美味い。
前菜に合わせて飲んでいる白ワインは、マルケ州のサンタ・バルバラが造る、ステファノ・アントヌッチ、ヴェルデッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージ、2016年。
このボトルは紫のエチケットだが、色違いも幾つかあるのだそうだ。
パンは二種類。
赤ワインはボトルで注文。
ピエモンテ州のアゼリアが造る、ランゲ・ネッビオーロ、2014年。
アゼリアはバローロ地区の中心部で1920年に設立された家族経営のワイナリーで、現当主は4代目のルイージ・スカヴィーノ。
不透明なルビー色。
最初はタンニンが前面に出ていたが、温度が上がるにつれてストロベリー、フランボワーズやスミレの香りが出てきた。
綺麗な酸を持ち、とてもバランスの良いネッビオーロだ。
ぶどう栽培は、認証は受けていないがビオディナミ。
ステンレスタンクで発酵と熟成を行い、15カ月の熟成後、更に6カ月以上の瓶内熟成を経てリリースされている。
発酵には自然酵母を持ちい、清澄、濾過は行っていない。
いよいよプリモ・ピアットのタヤリンが届く。
イタリア人の女性スタッフが白トリュフをスライスにして振りかけてくれると、テーブルが魅惑的な香りに包まれる。
「素敵な香りね。白トリュフ、大好き」と彼女。
「僕は君の次に白トリュフが好きだよ」と私。
彼女のセコンド・ピアットは、イノシシのグリル。
色々な部位が盛られていて楽しそう。
ヴォリュームもあって美味しいとのこと。
私のセコンド・ピアットは、ブリオーネ、仔羊のトマト煮込み。
柔らかな肉に旨味が詰まった素敵な料理だ。
仔羊肉の下に敷かれているのはガーリックトースト。
トマトソースを吸ったガーリックトーストも美味い。
口直しの、ローズマリーのグラニテ。
彼女のドルチェは、林檎のタルト。
私は、クラシック・パンナコッタを選択。
「今日も美味しかったわ。ありがとう」と彼女。
「今度は夜にゆっくり来たいね」と私。
「久し振りにアゼリアのネッビオーロを飲めて好かった。やっぱりアゼリアは美味しいわ」
「ここのワインの品揃えはとても良いね。まだまだ飲みたいものがいっぱいあるよ」
テラス席をよく見ると、ナプキンとカトラリーがセットされている。
こんな寒いのに、外で食べる人がいるのだろうかと不思議に思う。
ストーブが置かれていないところを見ると、実際には使われる予定は無いようだ。
今日も私達が最後の客となってしまった。
昼からボトルワインを飲んでゆっくり食事をする客は私達以外には居ないようだ。
ホール・スタッフは、三人の女性。
三人とイタリア語で話した彼女によると、皆さん出身地は異なるが全員イタリア人とのこと。
髪の色も目鼻立ちも異なる三人を見ていると、イタリアも北から南まで広いと感じる。
六本木のイタリアン、『ラ・スフォリーナ』で彼女と過ごす、素敵な午後でした。