外苑前のハンガリー料理の名店、『アズ・フィノム』で開催した”魅惑のハンガリー料理とハンガリーワインの会”の楽しい夜の続き。
参加者は、kennyさん、KEiさん、茶目子さん、naonaoさん、NORIさん、H!meさん、poohcoco-papaさん、mayuさんと、私。
お店からの三種類目のワインは、とても珍しい赤ワイン。
ヴィッラーニー地方のヴンデルリッヒが造る、ツヴァイゲルト、2005年。
ヴンデルリッヒが趣味で少量のみ生産しているワインで、選りすぐりのぶどうを用いたプレミアム・ワイン。
ツヴァイゲルトは北海道でも栽培されているが、オーストリアでケークフランコシュとサン・ローラン(ザンクト・ラウレント)の交配によって生まれた品種。
ケークフランコシュは、ハンガリーで一番有名な赤ワイン、エグリ・ピカヴェールを造る主要品種。
そしてkennyさんのセラーからの赤は、驚くべき貴重なワイン。
ハンガリーには建国の年が二つあり、一つはハンガリー人が国を作った895年、もう一つはハンガリー王国ができた1000年。
ハンガリー王国建国1000年を迎えた西暦2000年に、1000本のみ生産された記念のミレニアム・ワイン、マグナム、1997年。
kennyさんはブダペストに5年3か月駐在され、日本人会会長も務められた方。
さすが持たれているワインのレベルが違う。
裏のエチケットには、このワイン生産に携わったハンガリーを代表する5人の造り手の名前が記されている。
そしてボトルの下部には手描きのボトル・ナンバー。
生産された1000本中の、477本目だ。
特別なワインなので、セパージュは不明。
20年物であり、早めにデキャンタージュしておいた。
左がツヴァイゲルト、右がミレニアム・ワイン。
ミレニアム・ワインの濃さがわかる。
ツヴァイゲルトは、ダークチェリーやブラックベリーの香り。
しっかりとした熟成感を持つが、ミレニアム・ワインがあまりに濃いので、その前では軽やかに感じてしまう。
ミレニアム・ワインは、熟したプラムやカシス、バニラやオークのニュアンス。
こんな素晴らしいワインを提供していただいたkennyさんに感謝。
ハンガリー産鴨腿肉のコンフィ。
素晴らしい香り。
今夜は、前日に発表となったおめでたい話もある。
mayuさんが、日本ソムリエ協会の第一回サケ・ディプロマ認定試験に合格されたのだ。
シニアワインエキスパートであり、チーズプロフェッショナルでもあり、さらにサケ・ディプロマも取得されるとは、素晴らしい才媛!
みんなで、お祝いの乾杯。
こんがりと仕上げられた皮が美味い。
身は旨味が凝縮されており、骨だけを残して綺麗に完食。
もう一つの嬉しい話は、poohcoco-papaさんのブログ開設。
日本酒の専門家でもあるpoohcoco-papaさんが、前日に”プーとここと日本酒”のブログを開設されたのだ。
飲みながらも、皆さんスマホでチェック。
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kennyさんの二本目も素晴らしいワイン。
世界三大貴腐ワインのひとつ、トカイアスー、5 プットニョス、1990年。
プットニョスは、一定量のワインを造るのに貴腐ぶどうを何篭(篭=プットニ)使うかによって決まる等級で、3~6の等級がある。
つまり5プットニョスは高級品。
27年物でかなり色が変わっていたのでkennyさんは変質しているのではと心配。
外から見ても澱が激しいので、濾過器具も持って来られている。
抜栓すると、コルクの状態は悪くない。
香りも大丈夫。
熟成の進んだ素晴らしい貴腐ワイン。
kennyさんもほっとする美味しさ。
デザート。
写真はあるのだが、酔いのせいか食べた記憶があまり無い。
皿はハンガリーの名窯、ジョルナイのポンパドール、ホワイト&ゴールド。
今夜の〆は、洋梨のパーリンガ(フルーツ・ブランデー)。
これもkennyさんのセラーから。
東欧では食後にスピリッツを飲むことが多い。
これは消化促進になるのだ。
でも、これだけ沢山のワインを飲んだ上に、アルコール度数40%のパーリンガを一気に飲むと、完全に出来上がってしまう。
オーナーの東(あずま)さんと、シェフのジュリナ・ジョルジュさんともパーリンガで乾杯。
ハンガリー語は日本語と語順が同じなので、ジュリナがファミリー・ネームで、ジョルジュがファーストネーム。
気が付くと、会を始めて4時間近くになっている。
店を出る前に、レストラン内の展示物を見学。
これはハンガリーのツィンバロンという楽器で、綿を巻いた二本のバチで叩いて演奏する。
ツィンバロンがチェンバロ(ハープシコード)となり、それがピアノに発展した、いわばピアノの原型と言える楽器。
このお店では、時々ツィンバロンの演奏会も開かれている。
別室に展示されているジョルナイの磁器も見学。
ヘレンドと並び、ハンガリーを代表する名窯である。
ハンガリーを愛したオーストリア=ハンガリー帝国のシシー(エリザベート皇妃)に関する物品も展示されている。
”魅惑のハンガリー料理とハンガリーワインの会”もお開きの時間となった。
kennyさん、素晴らしいワインをありがとうございました。
参加していただきた皆様、素敵な夜をご一緒出来、楽しかったです。
そして東さん、ジュリナ・ジョルジュさん、クラウディアさん、お世話になりありがとうございました。