日曜日、友人たちと銀座でフレンチのディナー会。
台風の足音がひたひたと近付く中、銀座も閑散としている。
向かった先は、マロニエゲート1。
”行きはよいよい帰りは恐い”にならないか不安を感じながら、お店に向かう。
マロニエゲート1の入り口には、もうクリスマスツリーのようなデコレーション。
冷たい雨風の前では、ツリーも寂しそう。
ディナー会の開始まで時間があるので、東急ハンズをぶらぶら。
ソムリエナイフのコーナーに来てしまった。
鍵がかかったケースに入っているのは、ラギオール。
ソムリエナイフは10本近く持っているが、良いものを見ると欲しくなる。
このシャトー・ラギオールは柄がオリーブで、名入れをしてくれる。
どうしようかと迷っているうちに、店に行くべき時間になった。
今夜のお店は、『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』。
リヨンにある三ツ星レストラン、『ポール・ボキューズ』のブラッセリー版のお店。
リヨンの『ポール・ボキューズ』の料理を東京で再現するレストランは、代官山にある『メゾン ポール・ボキューズ』。
どちらも好きなお店なので、このロゴマークを見ただけでパブロフの犬状態となってしまう。
ディナー会開始までまだ30分。
台風にもめげず、今夜も満席の予約だそうだ。
私達のテーブルには、6人分のセッティング。
今夜のメンバーは、KEiさん、ショーコさん、nekonekoさん、ハバネロ将軍さん、りりかさんと私。
6人が揃い、乾杯。
濁ったスパークリングのように見えるが、これは今夜のアペリティフ、洋梨のカクテル。
洋梨のジュースを、スパークリング・ワインで割ったカクテルなのだ。
使われているスパークリング・ワインは、ヴーヴ・アンバル、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、2014年。
ぶどうはシャルドネ主体で、アリゴテが少し加えられている。
ヴーヴ・アンバルはブルゴーニュ最大のクレマン専業メゾンで、シャンパーニュ方式による高品質のクレマン造りで有名。
クレマンの中でも良いぶどうが収穫された年に生産されるミレジムをカクテルに使うとは、なかなか贅沢。
洋梨の甘い香りを持ちながら、キリリと締まった辛口のアペリティフ。
美味しいのでどんどんグラスを重ねてしまう。
今夜のメンバーで初めてお会いするのは、ショーコさん。
お話しも楽しく、豪快な飲みっぷりの素敵な女性だ。
前菜は、生ハム、林檎、胡桃のサラダ仕立て、ロックフォールのヴィネグレットソース。
野菜とフルーツと木の実とは、健康的で嬉しくなる。
生ハムの塩気と脂と熟成感がサラダに味を添える。
バゲットはフランスの店で作った生地を冷凍で取り寄せ、お店で焼いたもの。
パリッとした皮としっとりとした中身が絶妙のバランス。
白ワインは、スッド・ウエスト(南西地方)、マディランのアラン・ブリュモンが造る、シャトー・モンテュス・ブラン、2009年。
アラン・ブリュモンは地ぶどうのタナで造るワインの素晴らしさを世界に知らしめた人物で、マディランの帝王と呼ばれている著名な醸造家。
驚いたことに、ハバネロ将軍さんはマディランに行かれたことがあるそうだ。
「何もない本当の田舎でした」とのこと。
濃い黄金色。
濃厚な果実香。
熟したパッションフルーツ、パイナップル、洋梨の香り。
バターやブリオッシュ、トースト、バニラのニュアンス。
温度が上がってくると、蜂蜜も感じる。
やはりアラン・ブリュモンのワインは素晴らしい。
セパージュは、プティ・クルビュ80%、プティ・マンサン20%。
今年の5月にアラン・ブリュモンのワインを集めてワイン会を開催したことを思い出す。
魚料理は、舌平目のパネ、ヴィエノワーズ風、ブール・ノワゼット(焦がしバター)ソース。
ヴィエノワーズ風のパネなので、カツレツ風の油で揚げた料理。
舌平目を薄く開き、ほうれん草とチーズを巻き、小麦粉、溶き卵、パン粉を付けて揚げられている。
これは白ワインに合って美味い。
友人たちと銀座の『ブラッセリー ポール・ボキューズ』で過ごす楽しいディナー会は続きます。