広尾で彼女と待ち合わせ。
向かったお店は、樹々に囲まれた一軒家レストラン、『リストランテ イル・ブッテロ』。
サフランさんがお好きな、トスカーナ料理のお店である。
広尾商店街から路地を曲ると、ちょっと先にこの明るい掲示が見える。
上のモニターに映し出される料理の写真は次々と代わり、どれを見ても美味しそう。
このお店、土日は何時も結婚披露宴が開かれている。
今夜は雨がしとしとと降り暗いので、写真がぶれてしまう。
参考までに、以前日中に訪れた時の写真。
彼女はここが初めてなので、どんなインテリアか興味津々。
私をおいて、どんどん先に進んでしまう。
エントランスを入ると、そこはウエイティング・スペース。
突き当りの右側に、レセプションがある。
「歴史を感じさせる店構えね」と彼女。
店内に入ると、出会うスタッフが次々と「ボナセーラ」と声を掛けてくれる。
「ね、このお店のスタッフはイタリア語が話せるのね」と彼女は嬉しそう。
テラスのテーブルに着くと、私はワイン・メニューを調べ、彼女は料理メニューから今夜の料理を選ぶ。
乾杯のスプマンテは、お店から。
ヴェネトのプロセッコとのことだが、銘柄は聞き忘れた。
彼女は外国人スタッフを手招きすると、イタリア語でメニューに関して質問を始めた。
そのスタッフは困った顔をして、イタリア語はわからないと英語で答える。
別の外国人スタッフが応援に駆け付けたが、そのフタッフは私に向かって英語で話し始めた。
しばらく4人で英語でやり取りしていたが、あとでわかったことだがこの二人とも日本語が話せた。
私達は、彼らにはどこの国の人間に見えたのだろうと二人で大笑い。
「折角イタリア語の勉強ができると思ったのに」と彼女はちょっと残念そう。
最初の料理は、ブレザオーラとルッコラ、グラナチーズの花をあしらったサラダ仕立て。
二人に取り分けるのは私の役目。
これは私の皿だが、彼女の皿にはもっと綺麗に盛り付けることができた。
ブレザオーラは牛肉の塩漬け。
塩分があるので、スプマンテをあっという間に飲み干してしまう。
温かなパンが届いた。
EVオリーブオイルも持ってきてもらう。
ミネラルウォーターは、サンペレグリノ。
彼女は最近、コンガスを飲むようになった。
私は海外では基本的に、スパークリングウォーターを飲むようにしている。
スティルウォーターだと、中身を詰め替えられている恐れがあるからだ。
スプマンテを飲み干すと、白ワインをグラスで注文。
トレンティーノ・アルト・アディジェのソランデルが造る、トレンティーノ、シャルドネ、2014年。
DOCトレンティーノのワインだ。
イタリアの一番北の州のワインだが、豊かな果実味を持つ綺麗な辛口。
ワインのグラスは、撮影忘れ。
茄子とタイム入りメカジキの包み、パセリとオレンジソース仕立て。
メカジキの切り身がとても大きい。
実際にはもっと綺麗な色なのだが、暗い室内で撮影し、露光を上げて画像を明るくしたので、色が上手く出ない。
この料理を取り分けるのには、ちょっと工夫を必要とする。
ソースがメカジキの下に敷かれているので、まずメカジキを横にどけ、ソースを二人の皿に盛りつけてから、メカジキを盛り付ける。
ソースを取り皿に落として汚さないように気を付けないと、綺麗に盛り付けることが出来ない。
「ありがとう。貴方に取り分けてもらうと綺麗に盛り付けてくれるので好きよ」と彼女。
”好きよ”の対象が”盛り付け”なのか”私”なのか気になるところだが、余計なことは質問しないことにする。
広尾のトスカーナ料理のお店、『リストランテ イル・ブッテロ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。