今夜は広尾で彼女と待ち合わせ。
このお店は美味しかったね、次はここに来たい、などと話しながら、広尾商店街を散策。
祥雲寺の前を左に曲り、次の角を右折し、広尾一丁目交差点に向かう。
交差点を渡ってすぐのところ、明治通りに面したゲートをくぐると、今夜の目的のお店がある。
『レストラン マノワ』は、ソムリエの中村豪志氏が2011年に開いたフレンチ・レストラン。
店に近づくと、ドアがさっと開き、中村さんが迎えてくれる。
シックで落ち着いた雰囲気は、まさにマノワ=館のイメージ。
出されたウエット・タオルは、爽やかなミントの香り。
二人掛けのテーブルが7つと、カウンターにも席が用意されている。
平日の訪問だが、今夜も満席だそうだ。
最初はシャンパーニュ。
お店のハウス・シャンパーニュを選択。
J.B. ドゥラランドは初めて飲む銘柄。
セパージュは、ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%。
輸入業者のシールを見ると、なんと『マノワ』の直接輸入品。
コクのあるボディ、イースト香も心地良い。
木村硝子店製のグラスが素敵だ。
木製の飾り皿は珍しい。
皿にも店のロゴマークが入っている。
カトラリーのうち、ナイフは全てラギオール。
三種のマノワのアミューズ。
マノワの名前が入っているのは、焼いた麩とホワイトアスパラガスのムース。
右手が猪のリエット。
奥がジャガイモのムースで、中に刻んだオリーブが入っている。
パンはもちもちでとても美味い。
バターナイフもラギオール。
バターが可愛い。
残り少なくなると、新しいバターがさっと届けられる。
一皿目の前菜は、二人とも同じものを選んだ。
伊豆・河津の熟成日本鹿のテリーヌ、長野県大島農園の夏野菜と共に。
鹿のテリーヌも野菜も素晴らしく、彼女と思わず目を合わせて微笑む。
白ワインは、お薦め5種類のなかからモンタニーを選ぶ。
モンタニー、セレクション・マノワ、2015年。
モンタニーはコート・シャロネーズの5つの村の一つで、白ワインに特化したアペラシオン。
このワインも『マノワ』の直輸入品。
セレクション・マノワと言う名前のとおり、『マノワ』のためにボトリングされたワイン。
濃いめの透明感のある麦藁色。
豊かな果実味とミネラル感。
「美味しい。好きなタイプのシャルドネだわ」と彼女。
「僕たちはリュリーが好きだから、近くのモンタニーのシャルドネも好みに合うね」と私。
木村硝子店のグラスは美しいが、ステムが細く繊細なので取り扱い要注意だ。
彼女が選んだ二皿目の前菜は、夏ハーブのクルトンを纏った、静岡県富士宮市くぬぎマスの炙り、フェンネルの香り。
美しい。
彼女によると、見た目だけでなく食べても素晴らしいとのこと。
私が選んだのは、竹炭をまぶしてフリットした鱧、北海道・北見の新玉葱のアイスと共に。
丁寧に骨切りされた鱧が香ばしく美味い。
結構なヴォリュームもあり、アミューズと前菜二皿で結構お腹がいっぱいになってくる。
2013年から『マノワ』に加わった武藤シェフの実力は大したものだ。
彼女と過ごす、広尾の素敵な夜は続きます。