今夜は彼女と神宮前で待ち合わせ。
向かった先は、今年の3月に開店した素敵なフレンチ、『ラドニス』。
瀟洒なゲートを入ると、すぐ右にお店のエントランスがある。
でも、二階には”タイガース・ショップ”の大きな看板が・・・。
何を隠そう、私は広島カープのファンなのだ。
『ラドニス』がここにあることを示すのは、ビルの壁に付けられたこの小さなサインのみ。
知らないと通り過ぎてしまいそうだ。
ドアの前に立っても、そこに店の名前は無い。
知っているものだけがドアをノックできる、ちょっとした優越感。
こんな隠れ家感が好きだ。
居心地の良い邸宅のダイニングルームのような落ち着いた部屋には、4人用テーブルが三つと、二人用テーブルが三つ。
オーナーでサービスマンの坂井さんが案内してくれた席は、部屋の一番奥の4人用のテーブル。
この部屋で一番の上席に、彼女もにっこり。
『ラドニス』は、都内の有名店でサービスマンとして経歴を積まれた坂井ひろしさんが、「食をアートにするシェフ」と称される入江誠さんを迎えて立ち上げたフレンチ・レストラン。
今夜は入江シェフのどんな色彩のマジックに出会えるか楽しみだ。
白ワインは、ブルゴーニュ、マコネ地区のヴィレ・クレッセを選ぶ。
ジャン・リケールが造る、ヴィレ・クレッセ、レピネ、2015年。
色合いは濃い黄金色。
グレープフルーツやレモンの柑橘系の香り。
豊かな果実味を持ちボディは重厚だが、円やかな酸を持つので飲み飽きない綺麗な仕上がり。
アミューズ・ブーシュは三種類。
空いたお腹に美味い白ワインをどんどん流し込むと酔いが回ってしまう。
このちょっとしたアミューズ・ブーシュが美味しく、胃に優しい。
富津産コウイカ、プティ・ポワのソース。
緑の色彩が美しい。
プティ・ポワのソースの下には、コンソメのジュレが隠されている。
緑の次は、鮮やかな赤。
オマール海老の赤いサラダ。
ビーツや紅芯大根の赤の下には、オマール海老の赤。
オマール海老の切り身がごろごろいっぱい入っているのが嬉しい。
添えられているのは、シェーブルのソース。
シェーブルの酸味がオマール海老の旨味を引き立てる。
パンは三種類が用意されている。
最初に選んだのは、ライ麦のパン。
熱々の状態で供される。
メイン料理が出される前に、入江シェフの色彩のマジックに心を奪われてしまった。
「今夜も楽しい。貴方が選ぶレストランに間違いはないわね」と彼女の評価も高い。
「入江シェフの料理の色彩は素晴らしいけど、今夜の君のドレスも負けていないね。とても綺麗だよ」と私。
神宮前の新しいフレンチ、『ラドニス』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。