彼女と白金高輪で待ち合わせ。
向かった先は、予約の取れない人気の中華、『蓮香』。
どうしても行きたくて、予約解禁となる訪問日の1か月前に電話を入れ、テーブルを確保した。
開店時間の3分前に到着すると、店の前には既に9人の列。
予約なしでは入店できないお店なので全員予約を持っている客なのだが、開店が待ちきれない様子。
でも、倉庫のような建物にペンキが一部剥がれた古びたドア。
とても営業しているお店とは思えない。
彼女はこの外観を見てちょっと不安な様子。
開店時間と同時にドアが開き、予約確認を済ませた客が次々入店。
外観は倉庫だったが、中に入っても・・・、やはり倉庫。
22席しかない店内は、あっと言う間に満席。
テーブルセッティングは、これ以上シンプルなものは見たことが無い。
このお店は『ナポレオンフィッシュ』の料理長をされていた小山内耕也シェフが2015年12月に開いたお店。
ワインや紹興酒は一律価格で、厨房と客席の間に置いてある2台の冷蔵庫から客が自由に選ぶシステム。
彼女はこのシステムを面白がって冷蔵庫をしばらく覗き込んでいたが、席に戻ると「やっぱり貴方が選んで」とのこと。
最初は泡のボトルを抜栓。
アルザスのマルク・テンペが委託生産で造る、クレマン・ダルザス、ブリュット・ナチュール、プルミエール、セレクショネ・パー・マルク・テンペ。
勢いのある泡立ち。
青りんごや洋梨の香り。
瓶内二次発酵で造られ、瓶内熟成期間は3年。
ドサージュ(加糖)は行われていない。
ぶどうは、ピノ・オーセロワ50%、リースリング50%で、栽培はビオディナミ。
前菜5種盛りが届く。
ここではアラカルトメニューはなく、お任せのコース1種類のみなのだ。
春アスパラのスパイス揚げ。
香ばしくスパイスが効いたアスパラの歯応えが気持ち良い。
ヤリイカスモークと南瓜マスタード風味。
これは面白い味付けで美味い。
細切り豆腐と台湾カラスミ風味。
味付けが濃くないので、素材の良さを楽しむことが出来る。
太モヤシとミントのサラダ。
本当に簡単な料理なのだが、自分では出せない味わい。
豚細切り肉の湖南唐辛子オイル漬け。
パクチーがいっぱい使われているのが嬉しい。
5種類の前菜を二人に取り分ける。
「ひとつひとつの料理の味がしっかりしていて、美味しいわね」と彼女。
「味付けが全て異なっているので楽しいし、パクチーやミントの使い方が上手だね」と私。
春キャベツの塩漬け牛乳炒め。
あっさりとした塩味の柔らかなキャベツに、黒胡椒の香りが良く効いている。
発芽大豆、ささげ漬物と挽肉炒め。
発芽大豆はイソフラボンや葉酸の含有量が多く、身体に良いのだ。
発芽大豆がコリコリなので驚いたが、この食感がたまらなく美味い。
ポルチーニ春巻き。
ポルチーニの甘みと唐辛子の辛味が同時に存在する面白い味わい。
稚鮎の山盛唐辛子風味。
「上海の四川料理のお店でもこんな料理が出てきたわね」と彼女。
「あの時は大きな皿に赤唐辛子と焼いた小石が山盛で出てきたね。その中に鶏肉の細切れが入っていて、肉を探すのに苦労したよ」と私。
二人の皿に取り分けるのは私の役目。
唐辛子の下を掘り出してみると、稚鮎が4匹出てきた。
辛子も二個ほど食べてみたが、辛味がだんだん蓄積してきて口の中が火事になってしまい、慌ててクレマンをがぶ飲みする。
白金高輪の人気の中華、『蓮香』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。


















