湯島の『湯島天神ラクレット・グリル』で彼女と過ごす美味しい夜の続き。
白ワインのボトルを飲み干すと、赤ワインを抜栓。
モルジュ・ルージュ、2015年。
スイスの西端のヴォー州、モルジュで造られるワイン。
ベリー系の香り、ダークチェリーやブラックカラントのニュアンス。
タンニンはまろやか。
ぶどうはガメイ100%で、アルコール度数は13.5%。
ラクレット・グリルのあとの肉料理は、オッソブーコ。
脛骨の髄を食べるのではなく、脛骨の肉を掻き取ったような料理。
付け合わせは、ポレンタ。
彼女がスイスの名物料理をもっと食べたいと言うので、レシュティ付きのゲシュネッツェルテスを注文。
レシュティの上に、ゲシュネッツェルテスが掛けられる。
二人の皿に取り分けるのは、私の役割。
レシュティは、ジャガイモの千切りをフライパンでパンケーキのように焼いた、スイスの定番じゃがいも料理。
ゲシュネッツェルテスは、仔牛肉とマッシュルームを生クリームで煮込んだ、チューリッヒの伝統料理。
お腹はいっぱいだが、さらにマラコフも注文。
チーズに衣を付けて揚げたヴォー州の名物料理。
二つに切ると、中にはトロトロに溶けたチーズが詰まっている。
美味しいがお腹はもうはち切れそう。
さすがの彼女も、今夜はデザートは無理だととのこと。
オーナーの田澤さんと店のスタッフに見送られ、店をあとにする。
来るときは湯島駅から歩いたが、帰りは腹ごなしのために春日通り方向に散策。
店は、学問の神様として有名な、『湯島天満宮(湯島天神)』のすぐ近くにある。
夜も遅く境内に人気は無いが、銅の鳥居越しに見える本殿は明るく輝いている。
唐門の前を過ぎ、春日通りに出る。
春日通りは、通りに面した麟祥院が春日局の所縁の寺院であり、春日局の墓所もあることから付けられた名前。
春日通りを本郷通方向に歩くと、門構えの立派な料理屋が現れる。
ここは、私が学生時代から通っているお店、『江知勝』。
明治4年(1871年)に越後屋勝治郎が創業した牛鍋屋である。
通った大学の正門も赤門も本郷通に面しているが、裏門ともいえる春日門を出ると春日通りに出られたので、お金がある時には『江知勝』で牛鍋を楽しんだのだ。
しばらく歩くと、「デザートを食べなかったのでアイスクリームを食べたくなった」と彼女が微笑む。
そこでコンビニに寄り、歩きながら食べやすいアイスバーを購入。
彼女のアイスクリームは、ハーゲンダッツのクランチー・クランチ、ダブルクッキー&クリーム、期間限定。
私は最中が好きなので、桜もちもなか、期間限定。
二人とも期間限定品に弱いのだ。
本富士警察署前にきた。
隣は本郷消防署で、その横に春日門がある。
もうすぐ本郷三丁目だ。
彼女と過ごす、湯島~本郷の夜は素敵に更けて行きました。