銀座の『アイコニック』で開かれたパーティに、彼女と出席した楽しい夜の続き。
白ワインは、二人が好きなコトー・シャリトワ、レ・ペニタン、シャルドネ、2009年。
ロワール・サンセール地区で19代続く名門の造り手、アルフォンス・メロが、サンセールとブルゴーニュ・シャブリ地区との中間にあるコトー・シャリトワで造るシャルドネ。
白桃や洋梨のふくよかな果実味に、爽やかな酸。
複雑なストラクチャーを持ち、熟成感も充分。
「2009年も美味しいけど、貴方のセラーに入っているのは何年なの?」と彼女。
「2006年と2008年。2006年はもう飲んだ方が良いだろうね」と私。
「一緒にね♪」と彼女。
白ワインに合わせる料理は、北海道産帆立貝のポワレ、蟹のリゾット海藻バターソース、有機野菜のなます。
鈴木料理長によると、今朝届いたばかりのホタテを開き、調理したのだそうだ。
帆立の横には、ホタテの肝で造ったソース。
帆立の下に敷かれたリゾットは蟹の香りをふんだんに含み、とても美味。
二種類目の白ワインが出される。
ロワール・ソミュール地区のドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴが造る、ランソリット、ソミュール・ブラン、2012年。
ロワール最高峰の造り手の一人と言われる、ティエリー・ジェルマンのワインである。
ぶどうは、何とシュナン・ブラン。
アンソリットというのは、「普通でない、奇抜な」という意味。
ロワールのシレックス土壌で栽培されたシュナン・ブランを用いているので、この名が付けられている。
香りは、シトラスやジャスミンに樽香が混じる。
ところが口に含むと、シャープな酸を持つ爽快なボディ。
確かに”普通でない”シュナン・ブランである。
ぶどうはビオディナミで栽培され、大樽でシュールリーで12ヶ月間熟成されている。
続く料理は、愛媛県産真鯛のサルティンポッカ、生ハムと白菜で、ソースベルモット、笹の香り。
サルティンポッカはイタリアの肉料理だが、それを真鯛に代えて造られている。
淡白な鯛に生ハムの塩気が良いバランスを生み出している。
シャープな味わいのシュナン・ブランにも良く合って美味い。
ロワールの造り手による、ソーヴィニヨン・ブランでない二種類の白ワインの飲み較べ。
左がアルフォンス・メロのシャルドネ、右がティエリー・ジェルマンのシュナン・ブラン。
色合いに差はないが、飲み比べるとはっきりと差が出る。
どちらも美味いが、飲みなれているせいだろうか、ボトル1本を飲むとするとシャルドネを選ぶと思う。
銀座の『アイコニック』で彼女と過ごす素敵な夜は、まだ続きます。