先月末のこと。
彼女と六本木で待ち合わせ、車で西麻布のお気に入りフレンチに向かう。
そのお店は、『キャーヴ・ド・ひらまつ』。
このお店は今月から改装工事を行いしばらく休業となってしまうため、しばしのさようならを言いに訪れたのだ。
2階のレセプションでコートを預け、3階のメインダイニングに進む。
今夜の生花は黄色の百合。
前回は白百合だった。
何時ものテーブルに案内される。
おや、今夜はグラスの数が何時もより多くセットされている。
ソムリエがどんな趣向を考えているのか楽しみだ。
アペリティフ・メゾンは、リキュール造りの名手、ジャン・ポール・メッテのクレーム・ダプリコット。
アプリコットのリキュールをトニックウォーターで割ったカクテル。
トニックウォーターを使うのは、メッテさんのお薦めなのだ。
ジャン・ポール・メッテは、アルザスに本拠地を置く、フランスのオー・ド・ヴィ界の第一人者。
蒸留の天才と呼ばれ、伝統的なフルーツ・ブランデーに加え、トリュフ、コーヒー、カカオ、ミント、バジリコ、バニラ、ニンニク、胡椒、生姜、メロン、バナナ、パイナップル、アスパラガス、アーモンド、薔薇、タンポポ、菩提樹等、あっと驚く様々なオー・ド・ヴィを生み出している。
前菜は、有機カブのブランマンジェ、芳ばしい香りのタラバガニ、色鮮やかなハーブの菜園風。
色とりどりの根菜類とハーブの競演。
その下に隠されたタラバガニが美味い。
驚きは、三色の大根。
黒、紫、緑の大根が、赤カブと華やかさを演出。
白ワインはローヌのファミーユ・ペランが造る、コート・デュ・リュベロン、ラ・ヴィエイユ・フェルム、マグナム、2010年。
ファミーユ・ペランは、シャトー・ドゥ・ボーカステルを始め南ローヌの主要アペラシオンに300ha以上の畑を所有する大手の造り手。
綺麗なレモン・イエロー。
柑橘系や青林檎の香りを持ち、果実味と酸のバランスの良い辛口。
セパージュは、グルナッシュ・ブラン30%、ブールブーラン30%、ユニ・ブラン30%、ルーサンヌ10%。
魚料理は、葱を纏った寒ぶりのティエド、ほろ苦い二色のアンティーヴ、春菊のサラダと根セロリのピューレ。
焦がし葱のパウダーを纏った寒ぶりは、高知宿毛産。
まるで磯部巻きのようだ。
焦がし葱のパウダーと言うことだが、苦みは全くない。
赤ワインの1種類目は、アルフォンス・メロが造る、サンセール、プティ・ムシエール、2009年。
アルフォンス・メロは16世紀初頭からワイン造りに携わる名門で、サンセール最大の造り手。
現当主は、19代目となる。
濃い目の透き通ったルビー色。
豊かな酸とミネラルを持つ、キリリと引き締まったピノ・ノワールである。
ピノのストライク・ゾーンが狭い彼女も、「ブルゴーニュとは違うけど、これはこれで綺麗に造られた美味しいピノだわ」と好評価。
今夜のパンは、バケット。
ワインを飲むペースが速いので、パンもしっかりお腹に入れておかないと酔ってしまう。
西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。













