
東京ミッドタウンで彼女と過ごす楽しい一日の続き。
バカルディ・ミッドパーク・カフェを出ると、東京ミッドタウンのガレリアに向かう。
予約しておいたレストランは、『ニルヴァーナ・ニューヨーク』。
ニューヨークにあった伝説のレストラン、『ニルヴァーナ』を東京で復活させた店である。

このお店との付き合いは長く、開店した時からずっと通っている。
エントランスの通路の床には透明のアクリル板が張られ、その下には牛の長い列が続いている。
耐荷重は充分とは思いながら、何となく端っこをあるいてしまう。
このアクリル板を使った通路は、同じレストラングループが運営する丸ビルの『マンゴツリー東京』でも使われている。
『マンゴツリー』では、アクリル板の下には蓮の花が敷き詰められている。

エントランスを抜け、ダイニングルームに入ると、テーブル上の椰子の木が迎えてくれる。
いわゆるインド料理店とは全く異なる雰囲気。
内装は全てミッソーニ。
さすがニューヨーク生まれのコンテンポラリー・インディアン・レストランである。
一度、インドの大手財閥の幹部三人をここでもてなしたことがある。

内装がインド的でないので驚いていたが、味の良さ、サービスの良さを絶賛してくれた。
幹部三人のベジタリアンの程度がそれぞれ異なるので、三人に違う料理を同時に出すという素晴らしい仕事をしてくれたのだ。

頼んでおいたバルコニー席に着く。
目の前にミッドパークが広がり、サマー・ライト・ガーデンを眺めることが出来る。

ランチでもワイン、夕方にもバカルディ・モヒートをたっぷり飲んでいるので、今夜はワインを1本に留めることにする。
ブエナ・ヴィスタ、ソノマ、ジンファンデル、2014年。
ワイナリーは、ハンガリー人のアゴストン・ハラスティ伯爵が1857年にソノマにぶどう畑を購入し、ブエナ・ヴィスタを設立したのが始まり。
ハンガリー人であるのに、ワイナリーの名前をスペイン語のブエナ・ヴィスタ(絶景の意)としたのは不思議。

バルコニーが暗いので、露出をいっぱいにしても写真はボケるし、色も上手く出ない。
色合いは濃い暗赤色。
豊かな果実香を持ち、これぞジンファンデルといった感じ。
熟したカシス、ラズベリーの香り。
チョコレートやバニラのニュアンスも感じ、しっかりとしたタンニンに、珍しく酸も持つ。
ボトリング前に11か月間オークの樽で熟成させているそうだ。

「あっ、花火」と彼女。
「え、さっきからLEDの花火を何度も観ているじゃない」と私。
「違うの。ほら、あっちに本物の花火」
振り向くと、神宮外苑の花火が煌びやかに輝いている。

アミューズは、トマトのチャツネ。
ミニトマトの下に、チャツネが詰まっている。

ヴィーガン・パワーサラダ・ボウル。
キヌア、イチジク、アボカドを始め、18種類の野菜が入ったサラダ。
ライム・セサミドレッシングが良く合って美味い。

二人の皿に、私が取り分ける。
量が多いので、取り皿二つに盛り付けてもまだ半分以上残っている。

タンドリー料理も注文。
ラム挽肉のタンドリーロースト、シーク・ケバブ。
もう一つは、ブラックタイガー海老のスパイシーなタンドリーロースト、タンドリー・ブラウン。
ワインに良く合う。

おつまみに、特別なナーンを注文。
カプーリ・ナーン。
中に砕いたピスタチオやナッツ、干した果実がいっぱい詰まっているカブーリ・ナーンは、私の好物なのだ。

LEDの花火が再び始まった。
本物の花火も綺麗だが、これもなかなか美しい。
しばらく無言で見入ってしまう。
遅い時間のランチで牛肉をしっかり食べ、映画館で大きなバケットに入ったキャラメル・ポップコーンを食べたので、やはりお腹は空いていない。

そこでカレーをスキップし、デザートを注文。
マドラスコーヒー・アイスクリーム。
今日は、六本木ヒルズで『シャポー・マルゴ』、『TOHOシネマズ』のシン・ゴジラ、そして東京ミッドタウンで『バカルディ・ミッドパーク・カフェ』、『ニルヴァーナ・ニューヨーク』で過ごした。
「楽しかったね」と彼女も満足した様子。
そんな彼女を見て、私も嬉しくなる。
六本木で彼女と過ごす、素敵な長い一日でした。