
今夜は彼女と、『キャーヴ・ド・ひらまつ』で開催されたパーティーに出席。
何時も来ているお店なのだが、今夜はちょっと雰囲気が違う。
レセプションで迎えてくれる顔馴染みのスタッフ達も、緊張気味。

レトロなエレベーターで案内してもらった先は、三階のダイニング・ルームではなく、地階のホール。
「え、今夜は地階なの?」
「はい。参加される人数が多いものですから、結婚披露宴で使用しているこちらのホールで開催させていただきます」

テーブルに着くと、すぐにスパークリング・ワインが注がれる。
坂本支配人、佐々木ソムリエがテーブルに次々と挨拶に来られる。
「今夜は皆さん張り切ってらっしゃるわね」と彼女はこの雰囲気を楽しんでいる。

注がれているワインは、『ひらまつ』の定番、ヴーヴ・アンバルが造る、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、2014年。
ブルゴーニュのクレマンの元祖と言えるメゾンで、クレマン・ド・ブルゴーニュ生産量の40%のシェアーを持っている。

親しいホール・スタッフが現れ、小声で話し始める。
「今夜の魚料理と肉料理はお二人にだけ別メニューを用意させていただきました」と言って、料理を説明してくれる。
「でも、今夜のメニューはその通りになっているよ」と私。
「このメニューもお二人だけの印刷物で、他のお客様とは違っています」

先週もここに来て食事をしているが、その時のメニューと今夜のメニューが重なってしまったとのこと。
そこで私たちだけに別メニューを用意してくれたのだ。
「こんな配慮が出来るお店は好きだわ」と彼女も喜んでくれる。

アミューズ・ブーシュは、トマトのスフレ。
トマトの酸味が効いたふわふわのスフレが口の中で溶ける。

前菜には白ワイン。
洋梨や蜂蜜の濃厚な果実味。
しっかりとしたミネラルと、溌剌とした酸。
果実味、酸、ミネラルのバランスが素晴らしい。
セパージュは、ミュスカ50%、シャルドネ30%、マカブー20%。

南仏ルーション地区のドメーヌ・ゴビーが造るヴァン・ド・ペイ・デ・コート・カタラン・ブラン、レ・カルシネール、2009年。
ゴビーは、クラスマンで南仏唯一の三ッ星評価のドメーヌ。
85haの保有地の内40haには森林、草地を残し、自然との共生を図っている。
ぶどう栽培はビオロジック。

前菜は、フォアグラのパヴェ玉蜀黍のフランセーズ、ゆずの香るソース・オランデーズ。
フォアグラの料理には、濃厚な白が良く合う。

魚料理に合わせて、別の白が出される。
ゴビーの白も濃厚だと思ったが、これは更に強いボディ。
熟した桃や杏の香り、香ばしいナッツも感じる。
強いミネラルと酸も持つ、素晴らしく芳醇な辛口。

リュリー、プルミエ・クリュ、2009年。
造り手はコ-ト・シャロネーズに本拠地を置く、クローディ・ジョバール。
最も注目されている女性醸造家だ。
ムルソーを含むコート・ド・ボーヌとシャロネーズに畑を有し、2005年からはルモワスネの醸造責任者にも就任している。

魚料理は、スズキのポワレ、磯の香る法蓮草のスープ。
他の客とは異なる料理に、彼女もにっこり。
西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』での楽しいパーティーの続きは、また明日。