
銀座の『ポール・ボキューズ銀座』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
アペリティフに続き白をたっぷりと飲んだ後は、赤ワイン。
造り手は白ワインと同じくロワールのアルフォンス・メロ。
サンセール・ルージュ、プティ・ムシエール、2009年。
最近サンセール・ルージュのラ・ムシエールを飲んだが、プティ・ムシエールは何が違うのか聞き忘れた。

昨日も書いたが、メロ家は14世紀初頭から19代にわたってワイン造りに携わる名門。
代々アルフォンスの名前を受け継ぎ、18代の名前も19代の名前もアルフォンス・メロ。
サンセールと言えば白のソーヴィニヨン・ブランだが、ピノ・ノワールの赤もなかなか美味い。
アルフォンス・メロが造るワインで忘れてはならないのは、ジュヴレ・シャンベルタンのジャンテ・パンショと共同で造る、レ・ペニタンのシャルドネとピノ・ノワール。
これは本当に素晴らしく、私のセラーにも2009年が入っている。

肉料理は、鶏胸肉とシャンピニヨンのファルス、モリーユ風味のソース・マデラ。
ファルスは肉の中に詰め物をした料理。
モリーユ茸の甘いソースが鶏肉に合って美味い。

料理との相性が良く、ピノ・ノワールを何杯も飲んでしまった。
メイン料理を食べ終えると、ディジェスティフが出される。
ルモルトンのカルヴァドス、レゼルヴ。
AOCはカルヴァドス・デュ・ドンフロンテで、このAOCではリンゴのワイン(シードル)に洋梨のワイン(ポワレ)を30%以上混合して蒸留することが義務付けられている。
ルモントンは、カルヴァドス・デュ・ドンフロンテ地区にあるルモントン農園が造るカルヴァドス。

カルヴァドス界の長老と呼ばれるルモントン翁が経営するとても小さな蒸留所。
そのため生産量が少なく、フランスではタイユヴァンやトゥールダルジャン、モナコのネグレスコ等の一流レストランでしか飲むことができないと言われているそうだ。
ルモルトンの人気の秘密は、洋梨のポワレを80%も使用しており、そのため特に香りが華やかなことにあるようだ。
カルヴァドスは私の好物で、ルモルトンを飲むことができて今夜は幸せ。

デセールは、ポワール(洋梨)・ウィリアムと軽いショコラのタルト、バニラ・アイスクリーム添え。
ポワール主体のカルヴァドスのあとが、ポワールを使ったデセールとは面白い。

今夜の料理は何時にも増して美味しく、またワインも素晴らしかった。
『ポール・ボキューズ銀座』に来ると、本当に寛いで楽しむことができる。
彼女と過ごす、銀座の楽しい夜でした。