
西麻布の一軒家フレンチ、『キャーヴ・ド・ひらまつ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
今夜はボルドーの2012年ヴィンテージの白ワイン三種の飲み較べ。
彼女曰く、「どの白も美味しくて、何度も飲み較べていると飲み過ぎちゃった」。
白を飲み過ぎた後は、赤ワイン。
ボルドー、フロンサックのクロ・デュ・ロア、2009年。
ボルドーで近年注目のフロンサックの、グレートヴィンテージのワインである。

ボトルを見ると、2011年パリ農業コンクール金賞受賞シールが貼られている。
パリのコンクールの金賞受賞比率は8%と少なく、これは期待できる。
紫を帯びた濃赤色。
ブラックチェリー、カシス、コーヒー、ビターチョコ、そしてシガーやバニラ。
タンニンは重厚で滑らか。
ぶどうはリュット・レゾネで栽培され、フレンチオークの樽で12ヶ月熟成。
セパージュは、メルロー85%、カベルネ・フラン15%。

赤に合わせる料理は、鴨胸肉のロースト、榛(はしばみ)の香るヴィネグレットソース、花ニラを添えて。
旨みが凝縮された胸肉は、強い赤にも良く合う。

赤ワインをまだ飲みたいので、フロマージュのワゴンを出してもらう。
今夜は種類が少ないが、熟成の進んだ良いものが揃っている。
生ハムも美味しそうだ。

青かびはロックフォール、ウォッシュドはとろけるエポワス、ハードは名前を聞いたが忘れてしまった。
生ハムも少し切ってもらった。
彼女の評価は、「このプロシュート、熟成してて美味しい」。

デセールは、ペッシェ・メルバ。
桃に木いちごのソースがかけられている。
しばらく眺めていたいような可愛いデセール。
今夜はちょっと飲み過ぎたが、ワインを飲んだ後のデセールは美味しい。

デセールのあとは、ディジェスティフ。
今夜のデザートワインは、何度も飲んだことがある。
サント・クロワ・デュ・モンのシャトー・デュ・モン、2011年。
サント・クロワ・デュ・モンは、貴腐ワインで有名なソーテルヌの対岸にあるAOC。
ソーテルヌの貴腐ワインが高価なのに対し、サント・クロワ・デュ・モンの貴腐ワインは良心的な価格で購入することができ。

輝く黄金色。
甘い完熟果実の香りがふわりと漂う。
蜂蜜、デーツ、マンゴー、アプリコット、凝縮された果実味が素晴らしい。
平均樹齢60年のセミヨン100%で造られている。
彼女は白と赤を飲み過ぎたと言って、グラスを私の方にそっと押す。
私自身飲みすぎなのだが、にこっと笑って受け取る。
本当に飲み過ぎてしまい、彼女が益々麗しく見える。

コーヒーで今夜を締めくくる。
「ね、今夜もありがとう」と彼女。
「今夜のワインも料理も素晴らしかったね」と私。
「また来たい」と彼女。

彼女はここが本当にお気に入りのようだ。
今夜飲んだワインたちが、テーブル脇に並んでいる。
彼女と過ごす西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』の夜は素敵に更けていきました。