
板橋区役所前にある『板橋三丁目食堂』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
スパークリング、白とグラスで飲んだ後は、赤ワインのボトルを抜栓。
フランス、コート・デュ・ローヌのAOCコルナスのドメーヌ・デュ・クレが造る、マチュ・バレー、プティ・ウルス、ブラウン、2014年。
ドメーヌ・デュ・クレはオーナーのマチュ・バレーが1998年に設立。
2002年からはビオディナミ農法を実践し、今や北ローヌの自然派の旗手となっている。
プティ・ウルスとは小熊の意味。
エチケットの小熊の絵が可愛い。

AOCコルナスのワインは、100%シラーの赤のみ。
他の地域のシラーは白ワイン品種を少し混ぜて柔らかみを出しているが、コルナスはシラーのみなので、濃厚でタンニンの強いワインが特徴。

お店の人が満員の来客で忙しそうだったので、私が抜栓。
ところが驚いたことに、栓はコルクではなく特殊なゴムだった。

色合いはとても濃いガーネット。
甘い果実香、ブラックベリー、プラム、カカオのニュアンス。
力強いがこなれたタンニン。
酸味がしっかりとあるので、重すぎず爽やかな飲み口となっている。
ドメーヌの設立は1998年だが、ぶどうの平均樹齢は35~40年で、中には80~90年の古木もある。
「このシラー、酸味を持っているので洗練されているわね」と彼女の評価も高い。

いよいよラクレット料理を注文。
お店と相談し、農園野菜のバーニャカウダに溶けたラクレットを掛けてもらうことにする。
この農園野菜、このまま食べても美味しそうだ。

溶かしたラクレットが届く。
残念ながら今夜はラクレットの塊が小さくなってしまったため、大きな塊から直接ナイフで溶けた表面をそぎ落として掛けてもらうパフォーマンスはできないとのこと。

さあ、食べるとしよう。
「う~ん、美味しい」と彼女。
チーズが溶けている間に食べる方が美味しいので、二人とも無口になってしまう。

アンガス・ビーフのガーリック・ステーキ。
彼女は肉食系なので、ラムかビーフがあると必ず食べたいという。
何時も思うが、私と同量を食べてどうしてこんなにスリムなのかと不思議だ。

そしてパスタは、ポルチーニ茸と一緒に煮込んだポロネーゼ。
最後に軽く食べるつもりだったが、驚きの量。
美味しいが、苦労して完食。

「もうお腹がいっぱいだね。コーヒーを頼んで良い?」と、私。
「ホントお腹いっぱい。デザートはケーキ系は止めて、シャーベットにするわ」と、彼女。
「・・・」と、私。

結局シャーベットをお付き合い。
もうお腹が苦しくて歩けないと思ったが、彼女の言葉に急かされて席を立つ。
「お腹いっぱいだから、ここの駅で乗らないで、一駅先まで歩きましょうよ」
美味しく楽しく食べ過ぎた、彼女と過ごす『板橋三丁目食堂』の夜でした。