
東大前の『NZ BAR』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
ニュージーランド北島のホークスベイのシャルドネの次は、同じく北島のオークランドにあるクメウ・リヴァーが造るピノ・グリ、2011年をグラスで飲むことにする。
オークランドは北島北西部にあるニュージーランド最大の都市。
ユーゴスラヴィアから移住してきたブラコヴィッチ・ファミリーが1944年にオークランド郊外のクメウ地区に設立したのが、クメウ・リヴァー。
今の醸造責任者のマイケル・ブラコヴィッチはニュージーランド初のマスター・オブ・ワインに選ばれており、ワイン協会の会長も務めた有名人。

ニュージーランドのピノ・グリを飲むのは初めて。
色合いは思ったよりも濃い黄色で、あまりモスグリーンの感じはない。
香りはフルーティ、桃や杏の香り。
軽快と言うよりも、しっかりとした複雑なストラクチャーを持つ。
余韻も長く、素晴らしいピノ・グリである。
野生酵母を用い、ステンレス・タンクで時間を掛けて発酵させているそうだ。

ピノ・グリのお供は、チーズの盛り合わせ。
今日はチーズの種類が多いので、名前は省略。
ハードが2種、ウォッシュが2種、白カビと青かびが1種ずつ、そしてクリームチーズの味噌漬け。

このお店の名物は、壁一面に書かれたニュージーランドの造り手たちのサイン。
私たちの席の目の前には、大好きなワイナリー、グレイワッキとドッグポイントのオーナー達のサインがある。
この二人は、ニュージーランド・ワインの品質の高さを世界に知らしめたワイナリー、クラウディ・ベイの醸造責任者とぶどう栽培責任者として長年活躍した。
クラウディ・ベイがシャンパーニュ大手のモエ・エ・シャンドンに買収された時にクラウディ・ベイを去り、それぞれ自分のワイナリーを立ち上げたのだ。

店に入った時から気になっていたのが、この生ハム。
聞いてみると、奥信濃で造った一本物の生ハムなのだそうだ。
オーナーが色々な豚と色々な味付けの組み合わせで依頼して造っており、5種類位あるという。
これはリノレン豚にドイツ産の塩を用いて造ったもの。

一皿切り取ってもらったが、旨みがのっており飛び切りに美味い。
これはハモンセラーノ、それもイベリコ・ペジョーダと見紛うほどの美味しさ。
この次の生ハムはまた違う味わいだそうなので、入荷が楽しみだ。

さて、そろそろ赤のボトルを選ぶとしよう。
セラーの手前が白で、奥が赤。
彼女はオタゴ、それもノースオタゴのワイタキのピノ・ノワールが飲みたいと言う。

丁度ワイタキの良いピノが切れていたので、次回用に注文しキープすることにする。
セラーの隅には新入荷のワイン達が置かれている。
ドッグポイントもいっぱいある。
東大前の『NZ BAR』で彼女と過ごす楽しい夜は、まだ続きます。