
汐留の『パークホテル東京』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
何時もはルームサービスでサラダ、前菜、ビーフステーキ等を注文するのだが、今夜は昼に『Bubby's』で食べ過ぎたので、お腹が空かない。
白ワインを飲み終えると、彼女がお腹を空かせるために散歩したいと言う。
そこで夜の汐留を散策することにする。
ロビーに降りると、壁に展示品の映像が流れている。

ロビーを見渡すと、映像の作品を見付けた。
足というか靴下というか、何を表しているのだろう。
説明書きを見ると、金親敦(カネオヤ アツシ)氏の「ウインドミル」という作品なのだそうだ。
そうか、足を観るのではなく、羽根を観なければならないのか。

レセプションの後ろに見える景色も、既に夜。
東京タワーが明るく輝いている。
ロビー内が明るいので、写真を撮ろうとすると窓ガラスに映った室内の風景しか写らない。
身体で明かりを遮り、スマホを低い位置に構えて何とか東京タワーの夜景をゲット。
気が付くと、彼女はもうエレベーターの中。
「ごめん」と言いながら、急いで乗り込む。

汐留の高層ビル群の中には、地下二階、地上、地上二階に通路が張り巡らされている。
あっちこっちと散策していると、タコベルのお店を見付けた。
彼女はアメリカに留学していた時に、タコベルにはお世話になったので懐かしいとのこと。

私もアメリカを飛び回っていたころは、時間節約のために空港内のタコベルで何度も食事をしたことがある。
そこで、ファヒータ・ケサディーヤを注文し、ホテルの部屋で食べることにする。
トロトロのチーズが美味いが、量が多いのは驚き。

ワインのお共にローデッドポテトも注文。
フライドポテトに、チーズ、サワークリーム、牛のひき肉を乗せたもの。
これもヴォリューミー。

バロン・ド・エルの次にはシャンベルタン村のグラン・クリュを用意しておいたが、彼女がタコベルには合わないと言うので、サブで持ってきたスペイン・ワインを抜栓。
フィンカ・エル・レホネオ、グラン・レゼルヴァ、ヴァルデペニャス、2006年。
造り手は、カスティーリャ・イ・ラ・マンチャ地域で最も古いワイナリーである、ボデガス・フェルナンド・カストロ。

10年の熟成を経たグラン・レゼルヴァだけあって、色合いはとても濃いガーネット。
口に含むと、レッド・ベリー、プラム等のフルーティな香り。
シガー、バニラ、オークや、熟成したチーズのニュアンスを持ち、タンニンは円やかで重厚。
ぶどうはテンプラニーリョ100%で、ステンレス・タンクで6ヶ月、オーク樽で30ヶ月、瓶詰後36ヶ月、合わせて6年間の熟成を経てリリースされている。
スペインのテンプラニーリョのグラン・レゼルヴァの長期熟成物はリーズナブルで本当に美味い。

今夜はいつもと違い、結局ルームサービスを利用しなかった。
『Bubby's』で遅めのランチをしっかりと食べ、持参したチーズを食べ、アメリカ生活を思い出しながらタコベルのテイク・アウトを食べると、もう何もお腹に入らなくなってしまった。
外は明かりも消え、東京の街は夜の帳に包まれている。
『パーク・ホテル東京』の夜は静かに更けていきました。