銀座の『ブラッセリー・ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
今夜の三種類目のワインは、ブルゴーニュの赤。
ドメーヌ・クローディ・ジョバールが造る、リュリー・ルージュ、ラ・ショーム、2009年。
2009年のブルゴーニュは好きだ。
クローディ・ジョパールについては昨夜詳述したので、今夜は簡単なご紹介のみ。
代々醸造家の家系に生まれ、彼女で8代目。
母親のローレンスはジョセフ・ドルーアンの醸造長を20年間務めた人物で、クローディはその母親に醸造の基礎を学んだ。
でも、日本では普通には売られていない。
小さなブティック・ワイナリーで、『ひらまつ』が直接輸入しており、『ひらまつ』の系列店でしか飲むことができないのだ。
そう聞くと、一層美味しく感じてしまう。
肉料理は、スペイン産鴨フィレ肉のロティ、プティ・ポワのフラン、赤ワイン風味のソース・サバイヨン。
鴨は彼女の好物。
でも彼女が一番好きなのは、血の味のする鳩料理なのだ。
この鴨、クローディのピノ・ノワールに合って美味い。
ペラン・エ・フィスが造る、コート・デュ・ローヌ、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ、2010年。
ペラン・エ・フィスは南ローヌの主要アペラシオンに300ha以上のぶどう畑を保有する造り手。
シャトー・ド・ボーカステルを保有し、カリフォルニアでもワイン生産を手掛ける。
プロヴァンスでは、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー夫妻が所有するミラヴァルのワイン造りを行っていることでも有名。
ミラヴァル・ロゼは、最近飲んだばかりだ(2016年3月20日「桜のワイン会、ポルトゥス、南青山2)。
甘く豊かな果実味。
ミュスカ(マスカット)種のぶどうを用い、醸造過程でブランデーを添加して造られた、フォーティファイド・ワインである。
「今夜は飲み過ぎたみたい。強いワインは止めておくわ」と言って、彼女は一口飲んだだけでグラスを私に渡す。
思わず「ありがとう」と答えて受け取ってしまう。
今夜はアペリティフもリュリーの白・赤とも美味しく、私もグラスを重ねすぎている。
アルコール度数の高いフォーティファイド・ワインを二杯も飲んで、私も明らかに飲み過ぎ。
デセールは、オレンジムースとヌガティーヌ、爽やかな柑橘のソルベとクロゼイユの香り。
フランス料理を食べた後のデセールは、本当に美味しい。
ワインを飲んだ後のコーヒーも美味い。
でもこのカップ、指を掛けられず、親指と人差し指で挟んで持ち上げなければならないので、飲み過ぎた時には持ちにくいのだ。
今夜の料理とワインには彼女も満足。
そんな彼女を見て、私も幸せになる。
銀座の『ブラッセリー・ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす、素敵な夜でした。