ロングビーチの人気のスポット、『クイーン・メアリー』を探索することにした。
湾の対岸から観る『クイーン・メアリー』は、三本煙突がトレードマークの綺麗な豪華客船。
船体に併設されたエレベーターで4階まで上り、通路を通ってデッキ部分に渡る。
隣には、何故かロシアの潜水艦が係留されている。
『クイーン・メアリー』はイギリスのキュナードが建造した大型客船で、1936年から引退する1967年までサウサンプトン/ニューヨーク間の大西洋航路に就航した。
『クイーン・エリザベス』は姉妹船である。
今は『クイーン・エリザベスⅡ』、『クイーン・メアリーⅡ』が就航しており、私はキュナードの知人の招待で『クイーン・エリザベスⅡ』で食事をしたことがある。
『クイーン・メアリー』は総トン数81,237トンの大型船であるにも関わらず、快速船として知られていた。
1938年には西回り航路で、当時としては最高速度の平均30.99ノット(57.39km/hr)を記録している。
第二次世界大戦中は兵員輸送船として徴用されたが、高速運航が可能だったためドイツのUボートを振り切ることができたそうだ。
デッキより下部の船室はホテルとなっているため、立入禁止となっている。
デッキを海側に回ると、湾の対岸にロングビーチの街が見える。
ロングビーチという名前なのだから長いビーチがあるはずだが、目の前に広がるのはヨットハーバー。
目を右手に移すと、ダウンタウンから離れた遠くに長いビーチが見える。
真鍮の機器が綺麗に磨き込まれている。
天井にはそれぞれの装置の説明が貼られている。
船首に立ってタイタニックの気分を味わってみたかったが、随分遠くまで行かなければならないことがわかったので諦める。
これが『クイーン・メアリー』のシンボルともいえる、三本の煙突。
この煙突からモクモクと煙を吐きながら、大西洋を高速で航行する様は壮観だっただろう。
一番高い位置にある操舵室を出て、後部デッキに移動することにしよう。
一艘一艘がかなり大きく、喫水が深い。
これなら大人数を収容できそうだ。
クルーズの途中での寄港のようだ。
椅子も並べられているところを見ると、近々結婚式があるようだ。
入り口のクマが着ているのは、『クイーン・メアリー』の制服。
もちろん博物館でもあるので、英国王室に関する展示室も充実している。
磨き込んだマホガニー張りの店内を見ると、ワインも高そうで入店する気が起こらない。
他に、ジョージ5世とメアリー王妃の展示室もある。
キュナードが二隻の客船の建造を決めた時、名前は『クイーン・エリザベス』と『クイーン・ヴィクトリア』の予定だった。
ところが時の国王ジョージ5世に偉大な女王の名前を付けると報告した時に、ジョージ5世が妻のクイーン・メアリーの名前と勘違いしたため、ヴィクトリアではなくメアリーになったのだ。
ダイアナ妃の特別展示も行われていた。
ウイリアム王子にシャーロット王女が誕生したこともあり、人気の展示となっている。
私もダイアナ妃の本を購入したことがあるが、まだ積んだままになっている。
他にも船内にはレストランが4か所あり、カフェもある。
その内、最もフォーマルなのが『サー・ウインストン』。
チャーチル首相の名を冠したレストランである。
明日の夜は、『サー・ウインストン』に予約を入れている。
とても楽しく勉強になった、『クイーン・メアリー』見学でした。