昨年末に、彼女と過ごす六本木、東京ミッドタウンにある『ニルヴァーナ・ニューヨーク』で過ごす楽しい夜の続き。
二本目は、赤ワインを抜栓。
カリフォルニアの大好きなワイン、シミを選んだ。
シミ、カベルネ・ソーヴィニヨン、アレキサンダーヴァレー、2011年。
シミ・ワイナリーは、1876年にイタリア・トスカーナ出身のシミ兄弟によって設立された。
オーナーこそ次々と代わったが、シミはカベルネ・ソーヴィニヨンの第一人者としての地位を維持し続けている。
シミを育て上げたのは、ミッシェル・ロラン、ポール・ホッブス、スティーヴ・リーダーの三人の天才醸造家。
2011年はまだ少し早いかとも思ったが、熟成が進み、充分に飲み頃を迎えている。
重厚ではあっても重いだけではなく、エレガントさを併せ持つ洗練されたカベルネである。
シミの濃厚な赤に、青色LEDのブルーが映える。
彼女も私も無口になり、思わずカベルネの赤とイルミネーションの青の競演に見入ってしまう。
スープは、クラブ・ビスク、白トリュフの香り。
濃厚なビスク・スープが素晴らしい。
こんない美味いビスク・スープを飲むのは久し振りだ。
鴨胸肉のタンドール、胡桃のマサラ、焼き栗のチャツネを添えて。
どう見ても、フレンチ。
やはり「ミセス・マロリーと魔法のスパイス」の世界だ。
今夜のグラニテは、りんご。
爽やかで美味しく、これで次の料理を迎える準備が出来る。
小振りな鮑が丸ごと入っている。
そして旨味がギュッと凝縮されたようなカレーが素晴らしい。
プレーンナーンかサフランライスを選択できるが、二人ともプレーンナーンを選ぶ。
美味いカレーには、プレーンなナーンの方が美味いのだ。
木の実のナーンは甘くて美味しく、まるでデザートのようなのだ。
こんな我儘を聞いてくれる、このお店は素晴らしい。
アッサムティーのクレームブリュレ、幻の紀州黒甘柿を添えて。
今夜の食事にもワインにも、彼女は満足したようだ。
顔にポッと赤みが差し、何時もより饒舌になっている。
そんな彼女を見ていると、私も幸せになる。
彼女と過ごす、東京ミッドタウンの『ニルヴァーナ・ニューヨーク』の素敵な夜でした。