ホテルの庭の探訪を終え、部屋に戻ると果物と菓子が届いていた。
お腹が空いたので、これらに手を出そうかとも思ったが、やはり暑さ凌ぎのビールを飲みたくなり、バーに向かう。
レストランは午後7時まで開かないので、バーを早目に開けてもらい、飲みながら食事を摂ることにしたのだ。
バーの前の置物。
ブラスを叩き出しで造ったのか、丁寧な仕事がなされている。
バーの入り口のドアは背が低く、まるでサウナの入り口のようだ。
大柄なインド人は背をかがめて入らなければならない。
その方が、居心地良く感じるのだろうか。
一種の母体回帰なのかもしれない。
ところが、バーを早目に開けると言う情報は即座に伝わるようだ。
欧米人の宿泊客が次々と現れ、あっという間に満席状態になってしまった。
まずはキングフィッシャーのストロングで乾杯。
アルコール度数が高く濃厚なビールだが、甘みが少々強い。
でも、このビールを置いている所は少ないので、久し振りに試してみることにしたのだ。
大きなジョッキにガバッと注いでしまうので、例えば三人で一本頼むと、ジョッキ2杯でボトルは空になり、もう一本頼むように催促される。
飲んでいる内にビールが温まるので、冷えたボトルをその都度頼もうと思っても無理なのだ。
ワインも然りで、一本のボトルを6杯のグラスに注いでもらうと、グラスにたっぷりと注いで5杯で終わってしまう。
一本のボトルを6杯のグラスに均等に注ぐと言う観念が無いので、結局もう一本頼むことになってしまう。
これがビールに合って美味いのだ。
ベジタリアン・フードも悪くない。
インドのベジタリアンは概して太っている。
油ギトギトの食べ物が多いので、植物性とはいっても高カロリー食なのだ。
固く焼いた生地に、ナッツやライムのみじん切りを乗せたおつまみ。
これも結構美味いビールのお供。
チキン・ティッカ。
さすがホテルのバーだけあって、骨の部分をアルミホイルで巻き、食べやすくしている。
一品目は、チキン・カレー。
牛や豚を使わないので、チキン・カレーだけでも種類は豊富。
これもチキンのカレーだと思うが、料理が届くころには何を頼んだか忘れてしまう。
脳の老化が進んでいるようだが、確かカレーは老化防止に効果があったと思う。
大きなマトン肉が入っていて食べ応えがある。
ワインだと、濃くてスパイシーなシラーを合わせると美味しいかもしれない。
カレーの味が強いので、シンプルなナンの方が良く合うと思う。
うん、なかなか彩りも良いようだ。
インドではウイスキーやジンが中心に飲まれていると思いがちだが、実はスピリッツではラムの消費量が一番多いのだ。
その理由は簡単で、砂糖生産の為にサトウキビの栽培が盛んなので、サトウキビを原料として造られるラムが大量に安く販売されているのだ。
インド製の熟成させたラム酒はなかなか美味く、食後に味わうにはぴったりの酒である。
甘い香りに濃厚な熟成感。
そして強いボディ。
帰国時には、好きな銘柄のオールド・モンクを1本買って帰ろうと思う。
お腹がいっぱいになったので、腹ごなしにホテルの中庭を歩くことにした。
外に出てびっくり。
プールサイドにはテーブルが並び、多くの客が食事を楽しんでいる。
次回はここで食事をしてみようと思う。
インド、オディッシャ州の片田舎のホテルでの夕食でした。