最初の夜は、やはりタイ料理。
ちょっと変わっているが有名店に彼女を案内する。
店の名前は、『キャベジス&コンドームス』。
店の名前を聞いて彼女は引いた様子だが、店の入り口を見て「素敵ね」と安心した様子。
店までの長いアプローチをゆっくりと進む。
この時点までは、彼女はこの店が気に入ったようだ。
暑いバンコクでも、欧米人は外で食事を食べるのが好きだ。
従って、エアコンの効いた室内は、日本人や韓国人、中国人で占められることになる。
「何なの。これ」
実はこの店は、性病防止にコンドーム使用実践運動を強力に推進したミーチャイ・ウィラワイタヤ元副首相がオーナーなのだ。
彼女も少し安心したようだ。
この店は世界的に有名で、店の横にはコンドームをモチーフにした様々なお土産を販売するショップもある。
料理は本格的なタイ料理。
それにワインもそこそこ置いてあるので、彼女も機嫌を直してくれる。
最初のワインは、カリフォルニアのガロ・ファミリー・ヴィンヤードが造る、シャルドネ、2010年。
ガロはソノマ地区最大のぶどう園主。
創業から70年余りを経て、2,500haの土地を所有。
創業者の”自然を大切にする”との信念を守り、所有地の半分のみをぶどう畑とし、残りは自然のままに残している。
ワインは良く冷えていて、グラスも冷やしたものが出された。
彼女は、この店は大丈夫なのかと最初は疑っていたが、冷やされたグラスを見てようやく、この店が気に入ったようだ。
青リンゴのような香り、口に含むと柑橘系の爽やかな甘みと酸を感じる。
セントラル・ヴァレーのシャルドネを用いて造られた、南国に良く合う白ワインである。
外ではすぐに湿気てしまうが、エアコンの効いた室内ではゆっくり食べてもパリパリと美味しく味わうことができる。
バンコクの『キャベジス&コンドームス』で過ごす楽しい夜の続きは、また明日。