今夜はウイスキー、シェイク、銀座 | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。


ワインは素敵な恋の道しるべ-2013090920580000.jpg

彼女に会食の予定が入っている夜。


一人で寂しく食事を済ませ、待ち合わせ場所に向かう。


何時ものように遅れてくるだろうと思いながら銀座八丁目のバー、『シェイク』のドアを開ける。


すると、オーナーの古田土さんと楽しげに話す彼女の声が耳に飛び込んできた。


「遅い、もう先にカクテルを頼んだわよ」


急いで時計を見ると、待ち合わせ時間にまだ1分ある。


でもそんな野暮なことは言わない。


「ごめん、銀座の灯りを楽しんで歩いてきたから時間がかかってしまった」


ワインは素敵な恋の道しるべ-2013090920590000.jpg

古田土さんに何を造ってもらったのかわからないが、綺麗なグリーンの液体が彼女の前に出される。


古田土さんのシェーカーを振る姿は、何度見ても美しく飽きない。


私も自分でシェーカーを振ることがあるが、古田土さんの振り方とは異なり、上下で細かく二回振っている。







ワインは素敵な恋の道しるべ-2013090920530000.jpg
私の前のカウンター上には、キープしてあるボトルが三本並べられている。


好きなアイラ・モルトと、スカイ・モルトである。


ワインは素敵な恋の道しるべ-2013090921000000.jpg
まずは、アイラ・モルトのポート・エレン、5thリリースを味わう。


57度以上もある、シングル・カスク。


アイラ島のポート・エレンは1821年設立。


その蒸留部門は、1983年に閉じてしまった。


残った樽のモルトを用いてボトリングされるこのリリース物は、ファン垂涎の希少品なのだ。


ポート・エレンのあとは、アイランズ・モルトの中でも個性が強い、スカイ島のタリスカー25年。


これもピートに混ざった海藻由来のヨード香が強烈なワイスキーである。


彼女と過ごす銀座の夜は楽しい。


今夜も『シェイク』の夜は素敵に更けていきました。