丸ビルの35階にある『マンゴツリー東京』で彼女と過ごす、素敵な夜の続き。
二本目のワインは、イタリアの赤。
エミリア・ロマーニャの注目のワイナリー、サン・ヴァレンティーノが造る、スカービ、2010年。
毎年のようにエミリア・ロマーニャのベスト・ヴァリュー・ワインに選ばれている。
果実の香りがふわりと立ち上り、口に含むとフレッシュな熟成感を感じる。
樽香は微か。
醗酵にはステンレス・タンクを用い、熟成には短期間バリックが使われているそうだ。
セパージュは、サンジョヴェーゼ90%、メルロー10%、アルコール度数は14%と高め。
プー・トード・サム・ロット、彩り野菜とソフトシェルクラブのフリット、サムロットソース。
これは私の好物。
このソフトシェルクラブが本当に美味いのだ。
これも私の好物。
でも、ニンニクもかなり効いているので、明日の朝がちょっと心配。
これは彼女の好み。
とても辛いのだが、ココナッツの甘みが効いているので美味しく食べることが出来る。
量を指定して、タイ米のご飯を皿に盛ってもらう。
お腹はいっぱいなのに、どんどん食べてしまう禁断の料理である。
マンゴツリー・タワー。
一日5食限定のデザートなのだ。
シュワシュワと弾けるクリームとマンゴーソースの絶妙の組み合わせ。
彼女が食べていると絵になるが、ちょっと私には似合わない。
でも美味しいものには手が出てしまう。
籐を編んで作られた台に乗せて供される。
「ここに来ると、本当に癒されるわ」
「僕と一緒だからじゃないの」
声を出さない微笑みで答える彼女が愛おしい。
丸の内の夜は、素敵に更けていきました。