六本木の、『ザ・リッツ・カールトン東京』の、『アズール45』で彼女と過ごす、素敵な夜の続き。
スパークリング、白の次は、赤が出される。
佐々木さんは別の赤を考えていたようだが、私たちのワインの趣向を知り、急遽変えたようだ。
ブルゴーニュのニュイ・サン・ジョルジュに現れた新星ドメーヌ、ティボー・リジェ・ベレールの、ブルゴーニュ・ルージュ、レ・グラン・シャリオ、2008年。
単なるブルゴーニュ・ルージュとは思えない、素晴らしい凝縮感。
複雑なニュアンスを持ち、酸も充分に持っている。
このワインの選択に、彼女もにっこり。
ザ・リッツ・カールトン東京・プライヴェート・キュヴェ、メドック、2010年。
造り手は、バロン・フィリップ・ド・ロートシルト。
エチケットの一番下の黒帯に、バロン・フィリップの名前が入っている。
さすがザ・リッツ・カールトン、自分の名を冠したワインに、バロン・フィリップを起用しているのだ。
エチケットでは見えにくいバロン・フィリップの名前が、コルクには堂々と刻印されている。
色合いは濃く、光を透かして見ると、白いテーブルクロス上に美しい光が出現した。
2010年と若いのが気になっていたが、充分に楽しむことができる仕上がり。
しっかりとしたタンニンを持ち、果実味も充分。
飲み過ぎとは思うが、彼女と話しが弾み、グラスがどんどん進む。
ボルドーとの相性抜群である。
いっぱいになったお腹が、すっきりと落ち着く。
私の誕生日は既にだいぶ過ぎているが、それでもお祝いをしてもらえるというのは嬉しいものだ。
今夜の彼女も素敵だ。
店には、もう客がほとんど居ない。
帰りにセラーをのぞき込み、あれを飲みたいね、これも良いかも、と二人でワインの品定めをする。
『ザ・リッツ・カールトン東京』で彼女と過ごす、素敵な夜でした。