代官山は以前はよく通った街だが、最近はめっきり足が遠のいている。
久し振りに訪れた『シェ・リュイ』は、変わらない温かさで迎えてくれる。
でもその前に、シャンパーニュで乾杯。
シャンパーニュのお供に、軽いチーズ味の焼き菓子を出してくれた。
最初の白ワインは、セガン・マニュエルのブルゴーニュ・シャルドネ、2009年。
セガン・マニュエルは、1720年創立の名門ドメーヌ。
このワインはブルゴーニュ・シャルドネとはいっても、マコネ地区、プイィ・フュイッセのぶどうを100%使用した素晴らしい白なのだ。
控えめの果実香は、柑橘系でフレッシュ感がある。
口に含むと、フルーツの果実味と熟成感のバランスが良い。
シュール・リーで9カ月間熟成させているのだ。
伊勢海老のサラダ仕立て、フォアグラのパテ、スモークサーモンとグレープフルーツのマリネ、赤ピーマンのムース。
続く皿は、フロマージュのベニエとホワイトアスパラのバプール、トリュフソース。
赤ワインは肉料理に合わせ、少し濃いものを選ぶ。
南仏ラングドック・ルーション、リムー地区のシャトー・ド・ゴールが造る、コート・デュ・ルーション・ヴィラージュ・ラトゥール・ド・フランス・ルージュ、キュヴェ・プール・モン・ペール、2009年。
シャトー・ド・ゴールは、2004年設立で、2006年が初ヴィンテージの新しいワイナリー。
ビオディナミを取り入れ、自然派ワインを造る、意欲的で評価の高いわいなりーなのだ。
強い果実味、黒スグリや木イチゴの香り。
強いが、繊細なタンニン。
複雑な味わいは、ぶどうの樹齢が100年にも達する古木だからなのだろう。
ぶどうは、カリニャン40%、グルナッシュ20%、シラー20%、ムールヴェードル20%。
表のエチケットには、”Pour Mon Pere”、”父の為に”と書かれている。
これは、2009年に他界した父へのオマージュなのだ。
魚料理は、オマール海老と帆立貝の炭火焼、旬の野菜のソース(菜の花、ソラマメ)。
牛フィレ肉のグリエ、シャラン鴨のエシャロット風味、牛ホホ肉のブレゼ。
赤ワインとのマリアージュが素晴らしい。
ハーブティーと共に味わう。
久し振りの代官山。
彼女の温かさに包まれて、幸せに夜は更けていきました。