イタリア、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の、大好きな白ワインが手に入った。
イタリアの私の恋人とも言えるワインは、「黒い女性たち」。
つまり、「喪服を着た女たち」なのだ。
それは、リス・ネリス・リス、2006年。
「リス・ネリス」はフリウリ地方の方言で、イタリア標準語では「レ・ネーレ」、つまり「黒い女性たち」との意味。
戦争で男たちを失い、黒い喪服の女性たちがぶどう畑の仕事を担ったことから、この名が付いた。
深く強いぶどうの熟成感を持つ、素晴らしい白。
収穫は完熟を少し過ぎてから手摘みで行い、フランス産オークの大樽で発酵後、シュールリーで10カ月熟成させ、6か月の瓶熟成を経て出荷されている。
セパージュは、ピノ・グリージョ、シャルドネ、ソーヴィニヨン。
ぶどうの出来によって比率は変えられているそだが、メインはピノ・グリージョ。
フリウリは国境の州であり、その州都トリエステは国境の軍事拠点。
その長い歴史には常に戦争があった。
共和制ローマ、西ローマ帝国、東ローマ帝国の軍事拠点として栄え、その後は隣国ヴェネツィアとの戦争。
そしてフランク王国、オーストリアと所属を変え、イタリアに併合。
第二次世界戦争後にはチトー率いるユーゴスラビアに町の半分を占領され、1954年にイタリア返還。
今もイタリアの海軍基地が置かれる要衝である。
トリエステを訪問した時には、ローマ時代の円形劇場や、古い様式の教会を見学した。
古い話だが、ベオグラードでは、チトー大統領の死に遭遇し、亡骸にお別れを告げたことを思い出す。
歴史がいっぱい詰まった、フリウリの「黒い女たち」。
これからも愛飲していきたいと思っています。
