コルカタからベンガル湾沿いに南西に下った古都、ブバネーシュワルに来た。
空港から今夜のホテル、『トライデント』に向かう。
『トライデント』は瀟洒な二階建のホテル。
外はリゾート・ホテル風の白亜の建物だが、内部はシック。
石造りの内部は静けさと涼しさが支配する別世界。
外の暑さと喧騒を忘れさせてくれる。
ロビーの水盤に浮かべられた花は、毎日丁寧に手入れされている。
至る所に像が置かれている。
昼は異国情緒で楽しいが、夜に見ると少し怖い。
インディアナ・ジョーンズの映画を思い出す。
早速バーで、乾いた喉を潤す。
大好きなビール、キングフィッシャー・プレミアム・ラガー。
キングフィッシャーとはカワセミのこと。
実は、インドで大人気のキングフィッシャーは、航空会社まで作ってしまった。
私もよく乗るが、飛行機を運航する会社の名前が、川にダイブして餌を捕るカワセミとは、何とも不思議な気分になる。
そして夜。
シャワーを浴びて旅の汚れを落とすと、スパークリングを飲みたくなる。
選んだワインは、もちろんスーラ、ブリュット。
シャンパーニュ製法で造られた、高品質のスパークリング。
切れの良い辛口で、ぶどうの熟成感も併せ持っている。
インドへの贔屓なしで、美味いワインである。
おつまみを食べながら、美味いワインで話は盛り上がる。
となると、もう一本飲みたくなる。
スーラ、カベルネ・シラー、2008年。
ぶどうの凝縮感がギュッと詰まった、素晴らしいボディ。
インド・ワインは本当に質が高い。
ワインを楽しむ私たちを、この像が見守っている。
素敵な会話と共に、ブバネーシュワルの夜は更けました。