今夜は会食後に彼女と落ち合って、六本木の東京ミッドタウンで行われているウォーター・ワークスを見に行くことにした。
と言っても、外で見るには暑すぎる。
そこで、『ニルヴァーナ・ニューヨーク』に連絡し、窓際の席を取ってもらう。
机の上に咲く、ハスの花のような蝋燭立てが美しい。
蝋燭の明かりの中に輝く彼女の横顔は、もっと素敵だ。
今夜はオーストラリアのシャルドネ。
トレヴァージョーンズが造る、ヴァージン・シャルドネ。
豊かなぶどう香を持ち、深みと広がりのある素晴らしいシャルドネ。
樽を使わない最高のシャルドネのひとつと言われており、入手困難な人気ワインなのだ。
ズワイガニのタルタルと、二色のサモサをお供に楽しむ。
空中高く、水柱が次々と打ち出され、ステージの裾からは、真っ白な煙が流れ出る。
その水しぶきと煙をスクリーンにして、緑のレーザー光線が駆け巡る。
ステージにブルーのライトが輝き、一層雰囲気が盛り上がる。
そしてライトは赤に。
美味いシャルドネを飲みながら見るウォーター・ワークス。
気が付くと、テーブルに置いていた私の手に彼女の手が重ねられている。
『ニルヴァーナ』とは涅槃という意味。
涅槃の境地とはかけ離れてしまったが、今夜も楽しい夜となりました。