モンスター・ワイン&ビール | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

今夜は何を飲もうかとセラーをごそごそ探していたら、とんでもないワインを見つけた。


随分以前に、日本橋高島屋で見つけて衝動買いしたワインだ。


まずは、エチケットを見てもらいたい。
ワインは素敵な恋の道しるべ-201004111250000.jpg
なんともおどろおどろしいデザインではないか。


これを見てこのワインを飲みたいと思うだろうか?


これを見て思わず買ってしまった私は正気なのだろうか?


アメリカ人には、我々には理解しがたい独特の感覚がある。


何かを強調したい時に、およそ似つかわしくない、かなりグロテスクなデザインを使うという感覚である。


ワインは素敵な恋の道しるべ-201005160921000.jpg
例えばこのビールのラベルを見ていただきたい。


これは、サウスカロライナを旅した時に見つけたビールである。


”ブラックンド・ヴードゥー”とは。


このビールを飲むと、ヴードゥーの呪いにかかってしまいそうではないか。


ヴードゥーは、ハイチやニューオーリンズ周辺で信じられている民間信仰。


奴隷として西アフリカから連れてこられたフォン人のヴォドン(精霊)信仰と、キリスト教が融合して造られたと言われているが、教団や教典は一切無い。


このビールは呪いにかかるほど強いというメッセージなのか?
ワインは素敵な恋の道しるべ-201005161546000.jpg
こんなのもある。


”デッド・ガイ・エール”とはまた凄い名前。


実は、これは有名なオレゴン・ビールで、2003年にはワールド・ビール・チャンピオンシップで金賞を受賞している。



ワインは素敵な恋の道しるべ-201005161547000.jpg


これはご存知、ハワイのNo.1ビール、”ツナミ”。


大波のイメージであれば良いのだが、最近はツナミのイメージはあまりに悲惨。


ワインは素敵な恋の道しるべ-201005161547001.jpg


このビールは、クリーヴランドで出会ったもの。


荒れたエリー湖を雄々しく進む船のイメージなのだろうが、何と言っても暗い!


このビールも、ワールド・チャンピオンシップの金賞獲得ビールなのだ。


と、話はビールのラベルにずれてしまった。



ジンジラは、マクナブ・リッジ・ワイナリーの製品。


スコットランドから移住してきたアレキサンダー・マクナブ氏によってメンドシーノで開拓された歴史あるワイナリーなのだ。


マクナブ氏が連れてきたボーダー・コリーの一種の牧羊犬はマクナブ氏の犬として知られるようになり、今ではマクナブという犬種として定着。


今も二頭のマクナブ犬がワイナリーの番犬として働いている。


ジンジラは、四つの畑のジンファンデル(ぶどう品種)をブレンドしており、樹齢は若いものでも20年、古いものでは70年を超えており、この画はぶどうの古木をモンスターとして描いたもの。


ZINZILLAは、ぶどうの古木=ZINFANDELと、ゴジラ=GODZILLAを組み合わせた造語。


しかし飲んでみると、モンスターのイメージとは異なり、凝縮されたぶどうの果実味を持つ濃厚でスパイシーな、そして洗練されたバランスの良いワインである。


ジンジラは年間生産量6,000本の希少ワイン。


皆さんもこの異様なエチケットを見つけたら、騙されたと思って一度試してみてはいかがでしょうか。