久しぶりに鮨を食べたくなった。
でも、もちろんワインも飲みたい。
行きつけの鮨屋に相談すると、近くのイタリアン・レストランからワインをとってくれるという。
その鮨屋は、日本橋で百年以上の歴史を持つ老舗、『蛇の市本店』。
そんな老舗の暖かい配慮に感謝し、彼女と勇んで鮨を食べに行った。
何時もはカウンターで好みの魚を切ってもらい、そして好みの鮨を握ってもらう。
しかし今夜は、たまには個室で鮨会席でも味わおうということに。
お通しは、赤貝の酢の物。
第二の皿も春の装い。
最初のワインは、ピエモンテ州の白ワイン。
ラ・コンテッサ、ガヴィ・デル・コムーネ・ディ・ガヴィ、2008年。
ぶどうはコルテーゼ。
淡い黄金色の香り豊かな辛口。
少し強めに冷やしておいたので、辛口が一層際立ち、今夜の料理にマッチして美味い。
お造り。
ここで赤に切り替える。
今夜は赤も、ピエモンテ産。
プロデュットーリ・デル・バルバレスコ、2005年。
ぶどうはネッビオーロ。
その特徴を良く備え、ふくよかな香りと、強いが円やかなタンニンを持つフルボディ。
協同組合が生産するバルバレスコで、品質の高さでは定評がある。
やはり鮨には、フルボディでも、カベルネ・ソーヴィニヨンやサンジョヴェーゼよりも、ピノ・ノワールやネッビオーロの方が良く合う。
マグロのヅケ。
この店の定番メニューである。
焼き魚。
そして、〆はもちろん握り鮨。
もうお腹はいっぱいなのだが、酢飯の誘惑には勝てない。
魚のアラの味噌汁を味わい、あがりをいただき、満足感に浸る。
鮨屋でワインは、最近の彼女と私のお気に入り。
今夜も、日本橋の老舗寿司屋での、素晴らしい夜でした。