甘じょっぱいが好きなオレは子供舌?


昨夜は「X3部作」に残る未見の1本を観ました。


第2弾にして主演のミア・ゴスが、早くも製作だけでなく、タイ・ウェスト監督と一緒に脚本も執筆しています。


物語の舞台は、第一作の1979年から遡ること60年以上。第一次大戦中、世界的にスペイン風邪(本作の制作年次で考えると、コレはモロにコロナのメタファーか?)の猛威に怯えていた頃の、第1作と同じテキサスの郊外。


つまり事件の時系列で言うと、第2作から始まり、第1作、第3作の順。


前作で活躍した古い農家の裏の池のワニもタイトル前の導入部から登場。作中で、主人公パールが巣から卵を取り上げ代々大切に孵して世話していたであろう描写もあるので、おそらく前作の先祖のワニ。


本作は他の2作ほどストーリーへポルノムービーが要素として絡んでこないので、性描写はかなりおとなしめ。丸っきりないわけじゃないけどね…。


それもあるのか、個人的には一本の映画としては本作が一番完成度が高い気がします。


劇中劇の要素が無い分、散漫になっていない印象。


嘗てのフィルムの質感に拘ったような空気と手触りが感じられる密度の映像もとても美しい。


トーキー映画時代のような字幕やタイトルバックの字体や出し方もオシャレ。


何より日本版のポスターや予告編で使われている「映画史上もっとも無垢なシリアルキラー」というキャッチコピーがかなり秀逸!


殺害シーンさえなければ、全体的にアート寄りの文芸作品のようなテイスト。


タイトルが出る直前の、コレ、実はホラー映画ですよ!宣言のような加虐シーンから、急旋回で舵を切るかの如き次の攻撃的な残虐描写まで、物語はじっくり1時間近く続きます。


心理的には常にジリジリギリギリしますけどね。


いやあ、ミア・ゴス、スゴいわ。


後半の長台詞やら、エンドクレジットのバックに流れる笑顔といい、演者としての表現力だけでなく、自分の魅力を理解しているからこその、それを最大限活かせる構成力や魅せ方。


演じると作る、両面での彼女の才能とキャラが怖いくらい。


デル・トロ監督がフランケンシュタインのヒロインに抜擢したのも納得。


それにしても正月松明けから3部作を駆け抜けてきましたが、やっぱりホラー映画は舐めちゃダメの感慨がまた一頻り。


陳さんに倣うとすると「コレを観ずに死ねるか?」ですね。


https://happinet-phantom.com/pearl/