UFCにも出場していた総合格闘家シリル・ガーヌが主演。
作中でも格闘家の設定で、試合中に誤って相手を死に追いやり世捨て人になっていたところへ殺してしまった対戦相手の未亡人からマルセイユの麻薬犯罪組織に追われている息子の救出を頼まれるという極めてシンプルな筋立て。
さすがに格闘シーンでは説得力のあるアクションが目立ちます。
特に近接戦闘での立ち技の肘や膝の使い方がエグいなと思って少し調べてみたら、やっぱり最初はムエタイの選手だったのね? 体格のいい黒人なのに、狭い空間での身のこなしが、どこかアジアっぽい。
一方で銃撃戦では少し影が薄くなってしまうけどさ。
基本的に黒人プロ格闘家なのに、笑顔が印象的で目元が柔和だから、激しいアクションは手厳しいのに、きっと素の人柄は良い人なんだろうなってのが透けて見えちゃったりもするし…。
それにしても、現地警察の女警部がその主人公の相棒になるのですが、最初は反発しあいながら少しずつ距離を詰めていくのがこの手の映画の定番とは言えど、負傷した主人公を海の見える自宅で治療する流れで女性の方から「今夜、ヤリたいの」と迫って男を押し倒すパターンは初めて見ました。
コレもジェンダーフリーでポリティカル・コレクトネスってやつの一端かと「据え膳を食べない気?」とグイグイ迫る様子に、さすがに身も蓋もなくて微笑ましくも思わず失笑してしまいました。
一周回って、むしろ可愛いな…と。
しかし、オレは年寄りなので、映画の中でマルセイユと聞いただけで、外人部隊やらフレンチ・コネクションなどの連想から、端から街の治安と柄がよろしくないイメージがあるもの。
そこへ昨今の中東やアフリカからの移民増加で、尚さら犯罪の傾向にも変化があるようですね。
構成する人種や民族が大きく異なると、作中でも犯罪組織の縄張り争いの抗争のリンチや実力行使のやり口もより陰惨になっている気がします。
市内で発砲事件を多発させ、その通報によって警察から係員を多数出動させることで署内を手薄にしてから武装して殴り込みをかけ組織の殺人事件の目撃証人である息子の排除を目論むといった強硬手段に出るなんて、映画だから面白がっていられるんですけどね…。
そんなことを感じながらも、きっと人のいいであろう総合格闘家の意外と実直なセリフ回しや演技と迫力のあるガチっぽい殴り合いも見られるし、アクション映画ジャンルとしては手堅い佳品だなとオレは思いました。
https://www.netflix.com/jp/title/81745661
