『話上手は聞き上手』という言葉があります。

この「聞き上手」は「訊き上手」でもあると思います。

「訊く」という漢字は普段あまり使わないですが『尋ねる』『問う』といった意味。英語で言うと「ask」ですね。

本来の、話上手は聞き上手というのは『人の話を聞けない人は、人が聞きたいと思うような話はできない』ということ。つまり、聞き下手な人は自分が話す時も、自分の話したいことだけを話して自己満足で気持ちよくなって自分に酔ってきて・・・相手が辟易していることにも気付かない残念な人なのです。

 

最近「訊き下手」な人に遭遇しました。

 

最近はレジ袋が有料化されてきていますので、洋服屋さんやスーパー、コンビニなどでも「袋要りますか?」と訊かれます。先日とある、ちょっとオシャレな食品&雑貨のお店のレジで、こう言われました。

「エコバッグはお持ちですか?」

「・・・・・」

いや、答え難いですやん。

私はエコバッグは持っていないけれど自分の手持ちのバッグに入れて帰れる量だったので、袋は要らなかったのです。

質問の答えは「持っていません」ですが、持ち帰り用の有料袋が要るかどうかなら「要らない」なのです。・・・・・いや、答え難いわ・・・

 

とあるコーヒーショップにて。

テイクアウトで注文したのですが、レジで対応してくれた店員さんにこう言われました。

「今日はお仕事、お疲れですか?」

「・・・・・」

いやいや、答え難いですやん。

疲れてるっちゃあ疲れてるし、そうでもないっちゃあそうでもないし・・・

「あ、いや、元気です」とか、すっとんきょうな答えをしてしまいましたよ。

これでは、せっかく話しかけてもそこからコミュニケーションがスタートしないのです。一往復で終わっちゃう。

 

 

聞き上手の要素は『態度』と『質問』です。

聞き上手な人は質問上手です。質問上手な人は、相手が答えやすいように質問をします。また、質問下手な人は答え下手でもあるので、質問されても相手が聞きたい答えを答えられません。『問い』と『答え』を対にできないのですね。

相手が答え難いような訊き方しかできないような人は、自分が質問されても相手が聞きたい答えは言えないよ、ってことです。

 

 

話すことは聞くことです。

人の話を聞くのは得意だけど自分が話すのは苦手だと思っている方、またその逆の方も多いですが、どちらか一方だけ上手な人はいません。コミュニケーションは双方向です。

お客さんに言うセリフをマニュアルで決めておくことは賛成ですが、せっかくですから、そこからコミュニケーションが始まるような言葉にしておきたいですね。

 

 

 

 

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