ビジネスシーンに限らず、何かに対してフィードバックをすることがあります。大抵の場合は、より良き方向へ向かうためでしょう。そうでなければただのダメ出しになってしまいます。

フィードバックの由来や語源は諸説あるので何が正しいかはわかりませんが、解釈として私が気に入っているものは以下の2つ。

 

①大砲を目標地点まで飛ばせるよう、撃つ人に目標地点と着地点の差を数値で伝えること。

②フィード(feed)の語源がフード(food)=食べ物や栄養。相手に成長するための糧や栄養を与えること。

 

 

他にも解釈はたくさんありますし、それぞれの場や対象によって求められるフィードバックの定義は異なると思います。

私は、人材育成や社員教育などの場で求められるものは、上記の2つが必要だと思います。

①の定義では主に客観情報。仕事の成果や行動に対して現状と目標までの差、そこに向けた改善点やそのために必要で、かつ現状は足りていない行動を示す。それは「もっとがんばれ」とか「やる気あんのか」とか「気合い入れろ」とかではありません。具体的な数値や望ましい行動です。

②の定義では主に主観情報。相手にそれを伝えることにより栄養を与え続ける。「このまま続ければ結果が出る」「あなたならできる」「期待している」「努力を認めている」などの言葉(栄養)を与えること。

 

 

以前お目にかかってお話を伺ったことがある経営者の方で、社員に対して全くフィードバックをなさらない方がいました。

業績の良い企業でご自身には確固たる自信がありますが、望むような後継者が育っていないようでした。もともとできてしまう経営者の中には、自分にできることがなぜ部下にはできないのか理解できない方がいらっしゃいます。ご自分のやり方で成功されているので、働く人や環境の変化に合わせてやり方や考え方を変えることが難しいことも。

この方は部下に対して、一切認めもしなければ不足していることの指摘もしませんでした。全くフィードバックがないので、部下たちは不安になっていきますし成長スピードも遅くなります。かと思うと「PDCAを回していくことが大事だ!」とおっしゃるので軽く驚きました。

フィードバックは特別なことではなく、日常的に行う必要があると私は考えます。日頃から全くフィードバックをせず放っておいて、人事評価や面談の時に突然低い評価をされたら部下は驚きますし修正のしようがありません。これでは、一度も月次を見せられずにいきなり期末に決算書を見せられるようなもの。いやいや全然PDCA回せてないじゃん!!


釣った魚に餌をやらない・・・なんて言葉がありますが、餌も与えられなく水も濁ったままの水槽では魚は成長するどころか生存できません。ビジネスシーンにおける育成や教育に置き換えれば、部下は成長しませんし辞めていきます。

フィードバックがないことは部下の成長の機会をなくし、「自分は認められていない、気にかけられていない」という思いを与えます。

フィードバックするには部下の行動を見ていなければできません。まずは相手を「見る」ことから、そしてそれを言葉にして伝えること。いやそれよりまずは、経営者自身が、部下を放っておいても背中を見て育つという考えをやめてみることから。

 

 

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