イギリス英語発音スクール Stellavoce の高島まきです。

 

英語は「発音・リズム・イントネーション」で ずっと通じやすく、聞きやすくなる

 

これをイギリス英語を通じてお伝えしています。

 

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はじめましてのシリーズ、4. マダムの言葉「日本社会での立場より下の英語を話すことはないでしょう?」 の続きです。

シリーズ全体はこちらからどうぞ。

 

前述のマダムのお言葉で、ますます発音が気になるようになったイギリス留学3年目。

ロンドン大学の勉強は大変ではありましたが、英語や発音のことだけでなく、

イギリス社会のこともあれこれ肌で感じて、やがて無事卒業。

1992年の夏に帰国しました。

 

日本で就職してからというもの、

「タカシマ、英語できるよね?じゃあ通訳(翻訳)やって」、と上司に無茶振りされ続けたおかげで(笑)、

通訳翻訳のスキルも上がっていきました。

 

私はもともと言語が好きだったこともあり、あまり抵抗ありませんでしたが、

しゃべれるのと通訳できるのは全く違うスキルです。

 

しゃべる時は英語で考えて英語でしゃべる、つまり頭の中で言語の置き換えはしませんが、

通訳は日本語と英語をしょっちゅう行き来しなければなりません。

というわけで、英語しゃべれる人が全員通訳できるかというと、そうでもないのです。

勘違いしていた上司に、今では感謝ですが(笑)。

 

時は流れて2000年代なかば。

世界的指揮者 小澤征爾さんの広報担当者をしていました。

 

あるとき、海外メディアからの書面インタビューがあり、

小澤さんのお言葉をそのまま伝えるために、私が英語で質問して、小澤さんに英語で答えていただくことにしました。

公演地から次の場所への移動バスの中のことです。

 

小澤さんご自身は、「オレは英語全然ダメだから」と謙遜なさいますが、なんのなんの。

ボストン響の指揮者として30年近く住んでいらっしゃいましたし、とても自然に話せます。

 

(ここも注意!住んでいればそこの言葉がペラペラになるわけではありません。

 これもまたいずれどこかで語りたいです。)

 

で、そのインタビューを録音しながらフンフンと聴いていたら、あることに気がつきました。

 

小澤さんの英語、発音はカタカナだけど、リズムとイントネーションが完璧にアメリカ人!

 

いや~、さすが小澤さん!

言葉を音楽としてとらえてらっしゃるのが、よーくわかりました。

 

小澤さんと私を並べるのは甚だ失礼ですが、

私は子供の頃から絶対音感があったため、

文を音楽(=高低とリズム)としてとらえているのは自覚していたので、

小澤さんの英語を聴いて、ああ! とすぐわかったのです。

 

例えばリズムに関しては、

日本語では、基本的にひとつの文字ごとの音の長さはどれも同じ、

ダダダダダ、といった感じ。

 

ですが英語では、強弱があるので、

ーダーダー、といったリズムができます。

そして太字が強い感じで読むと、おわかりいただけるでしょうか。

(音楽に馴染みのある方、付点音符のあるリズムね)

 

また、音楽で言う音程(音の高さ)についても、

日本語のイントネーションも地方によって法則性があるのと同じように、

英語にもある程度のルールがあります。

音の高低はメロディと同じ。

 

というわけで、英語を西洋音楽として聞くと、いろいろと法則がわかりやすいのです。

 

さて、小澤さんの英語を聞いた時のことに戻りますが、
私は英語を話すときはアタマも英語になっているので、

いわばネイティブのモードで聴いています。

 

小澤さんの英語、リズムとイントネーションが完璧なので、

とってもスムーズに頭に入ってくるんですよ。

非英語人のヘタな英語を聴いているときのストレスが全く無い。

 

これですよ、我々日本人が目指すべきところは!

 

基本的な英語運用能力が高いのが理想ではありますが、

もし英語力はまだそれほど、というレベルでも

文の中のリズムとイントネーションと強弱を正しく作れれば、確実に通じやすくなります。

 

この時の発見がずっと私の中に残っており、

4年後、イギリス英語発音とリズム・イントネーションを教えるスクール、

Stellavoce (ステラヴォーチェ)を設立しました。

ラテン語でステラは星、ヴォーチェは声です。

発音も通訳も声を使うことなので、この名前にしました。

 

続きはこちら→ 6. きれいなイギリス英語を話せるメリット