【連載】クレイ兄弟 映画『レジェンド 狂気の美学』 | Britain Park  - 英国政府観光庁 -

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さあ、一緒にイギリスの旅へ出かけましょう!

みなさんこんにちは。映画レジェンド 狂気の美学の宣伝をしているカブリーナと申します。

618日の公開に向け、鋭意宣伝中でございます。


さて、先日は「
イギリスでギャングと言えばクレイ兄弟で、『レジェンド 狂気の美学』は彼らについての映画だということをお知らせしました。前回の記事はこちらから。

 
こちらの映画、製作はワーキング・タイトル・フィルム。最近だと『裏切りのサーカス』や『博士と彼女のセオリー』、『キャロル』などたくさんの名作を世に送り出してきた、イギリスを代表する製作会社です。

(素晴らしい作品の数々は、ぜひ公式HPで!)

http://www.workingtitlefilms.com/

 

「ワーキング・タイトルの作品を担当できるなんて嬉しいわ♪」

しかし!!映画を観たわたしは考えました。

 

観客が、クレイ兄弟のことを少しは知っている前提で作っているような気がする・・・・・!

 
イギリスの有名な製作会社が作ったイギリスでとても有名なクレイ兄弟の映画ですからね。

意識してかせずしてか。そういうこともありましょう。

 

もちろんクレイ兄弟を知らなくても楽しめるポイントはたくさんありますよ。

飛ぶ鳥を落とす勢いのトム・ハーディの一人二役の演技とか。

(他にも見どころはたくさんありますけど、これ、個人的にも押しておきます。)

他、デヴィッド・シューリスやクリストファー・エクルストンなどのベテラン俳優や、『キングスマン』でブレイクしたタロン・エジャトンなど、豪華な俳優陣には目を見張るものがあります。

 

とはいえ、時間もお金も使って劇場に来てくださる方には、

その作品を様々な角度から楽しんでいただくべく、選択をたくさんご用意したい!

と思いますので、クレイ兄弟を知らない方のためにさらっとクレイ兄弟について紹介します。

(まっさらな状態で映画に臨みたい!という方はお読みにならないように・・・)

 

<クレイ兄弟(レジナルド・クレイ/ロナルド・クレイ)プロフィール>

1933年、ロンドン、イースト・エンドのホクストン生まれの一卵性双生児10代の頃より、暴行、恐喝、強盗といった犯罪を重ねるが、二人からの報復を恐れ警察に通報しようとする者はおらずイースト・エンドで勢力を広げる。1960年代にはナイトクラブのオーナーとしてロンドンの富裕層地区と言われるウエスト・エンドでも名を知られるようになり、貴族、俳優や歌手などの著名人、政治家などとも親交を持つ。しかし1969年、殺人罪で逮捕、有罪となった。1995年ロナルド心筋梗塞で死亡。2000年レジナルド癌で死亡。


 

・・・これだけだと、なんでそんなに有名になったのか、よくわかりませんね。

すみません。

 

本作の監督・脚本のブライアン・ヘルゲランドがインタビューでこんなことを言っていました。

クレイ兄弟はまさに60年代のロンドンという時代と場所が生み出した人物だと思う。その幼少期に第二次世界大戦を経験した二人は、ロンドン大空襲や戦後の動乱の中を生き延びて成長した世代だ。彼らが住んでいた地域も爆撃の被害に遭い、世の中が大きく変化する中、兄弟はボクサーのように強く成長する。世界の規範といったものは戦争でかき消され、そこから全く新しい世界が創られたんだ。幸か不幸か、兄弟がイースト・エンド出身であったことが、彼らにあるチャンスをもたらした。犯罪を通じてのし上がるチャンスだ。彼らは犯罪という才能を自らに見いだしたんだよ。」

ちなみにこの人、脚本家としてL.Aコンフィデンシャル』でアカデミー賞脚色賞を受賞しています。

 

さまざまな文化が花開いたスウィンギン・ロンドンと言われる60年代ロンドンで、颯爽とマスコミの前に登場し、セレブや有力者たちとの交流を誇示しながらセルフ・プロデュースに邁進したクレイ兄弟。

 

<クレイ兄弟がテレビ出演した際の映像>

https://www.youtube.com/watch?v=D1Qc_8DoUCs

 

映画公式HPの柳下毅一郎さんのコラム(http://www.legend-movie.net/about.php)にある通り、ギャングとしての活動期間はそれほど長くないものの、彼らが自身で作り上げたクレイ兄弟の伝説は今に至るまで語り継がれ、二人の葬儀には数万人が訪れました。

 

<レジナルド・クレイの葬儀の模様(BBCで放送!)>

https://www.youtube.com/watch?v=AwfW-CMBIxk

すごい人だかり。沿道から“Legend!”という声も聞こえます。

 

そして今日では様々なカルチャーで取り上げられており、その存在はいまやポップアイコン!

 

ちなみに十数年前、ロンドンを訪れたわたしは露店でTシャツを購入しました。つい先日そのTシャツのプリントがまさかのクレイ兄弟だったと気が付いたことを、最後にそっと告白しておきます。

 では、また。

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