私(ricaauthor)がロンドンで最も美しいと思う建築物はイギリス議会議事堂、即ちウェストミンスター宮殿です。その議事堂が、なんと現在、崩壊寸前だということを、皆さん、ご存じでしょうか。
Photo by DAVID ILIFF. License: CC-BY-SA 3.0
でもね、ロンドンは本当は夜景が良いのです。ウェストミンスター宮殿も夜はこうなります。ため息が出るほど美しいと思いませんか?
現在、イギリス議会の議事堂として使われているウェストミンスター宮殿は、その名の通り、11~16世紀まで、歴代の国王が次々に増築し、暮らした王宮でした。16世紀から議場として使われるようになりましたが、1834年の火災で、その3分の2が焼失してしまいます。その後、再建が進み、1852年にはリニューアル・オープニングが行われました。しかし、以来、老朽化が進み、雨漏りや壁面の劣化などにより、今、大掛かりな修復をしなければ、20年後には倒壊する危機にあると言われているのです。
少しずつ修理していては間に合わないため、議会機能を一時的に他の場所へ移して、工事を行うのが最も安価で(それでも最低30億ポンド、4800億円!)効率的であると議論されていますが、具体的なプランは未定。でも、近いうちに修復が始まるのは確かで、そうなると、外観はそのままであるとしても、改修のついでに、内部の一部をモダンなデザインに変える可能性も示唆されています。
このように先行き不透明なイギリス議事堂。宮殿に隣接する時計台のビッグ・ベンも、遂に修復作業のため、来年、数ヶ月以上に渡って、その鐘の音が停止します。ぜひ今のうちに議事堂内部も見学しておいたほうがいいかもしれません。
イギリス議会で毎週水曜の正午から30分間行われる首相のクエスチョン・タイム
(Prime Minister's Questions, PMQ)
首相が与野党の質問や批判に答える時間ですが、どんな質問が来るか事前に知らされず、答える時に間を置いてはいけないという厳しいルールがあります。
この日、キャメロン首相は、野党労働党の内閣改造を、ちょうどシェイクスピア没後400年ということもあって、シェイクスピア作品のタイトルに絡めて皮肉っています。
皆さんはいくつタイトルが聞き取れるでしょうか…
英国市民は入場券を予約すれば、このPMQの見学が可能。海外からの観光客も、当日並んでスペースに空きがあれば、見られるそうですよ。
詳細はコチラ
日本では2011年に公開されたイギリス映画『アメイジング・グレイス』。20年近くに渡ってキャンペーンを行い、1807年に奴隷貿易廃止を成立させた実在の国会議員、ウィリアム・ウィルバーフォースを描いた作品。
ウィルバーフォース役には、私も別の映画の取材でインタビューしたことのあるヨアン・グリフィズ。首相のウィリアム・ピットには日本でも大人気となったベネディクト・カンバーバッチが扮しています。この予告編でも200年前の議会がチラッと出てきますが二大政党の対面形式やゴシック様式は今と殆ど変わりません。
Houses of Parliament
今月25日、『イギリスの首相に学ぶ 反論の伝え方』出版記念無料イベントを行います。イギリスの首相がなぜどんな質問にもスラスラと答えられるのか、その秘密を教えます。
詳細・参加お申し込みはコチラから。
テキストby ricaauthor
『イギリスの首相に学ぶ 反論の伝え方』の著者。どんな質問や批判がきても即答できるイギリスの首相。サッチャー、ブレア、キャメロン首相らのユーモア溢れる切り返しを分析・まとめた本邦初の書籍です。
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