皆さま、こにちわ。
牧歌ブリ吉でございます。
「家にいると粗大ごみ扱いされる」とか、「濡れ落ち葉のごとく(奥さんやカウチに)ピッタリくっついて離れない」と言われて、「家に居場所がない」と思っている孤独なお父さんは日本だけのことではありませぬ。
【英国産濡れ落ち葉。画像はVisit Britain Imagesから】
英国のお父さんたちは、自分の居場所作りをしてきました。
それが、庭にあるShed、つまり物置であります。
【グリーンの屋根の物置小屋が庭の右隅にあります。】
英国の住宅は、大体の場合、一軒家か二軒以上の棟続きの長屋になっていて、大なり小なりの「庭」がついています。庭や家のメンテには道具や材料も必要ですから、その置き場がShedであるのですね。
【左端に小屋があります】
DIY(日曜大工)をするには、このShed と修繕場所との間を行き来するわけですが、子供や奥さんから相手にされない存在になってしまう場合、必然的にこの場所に居つく時間が長くなります。
家族も、最初の頃は、大工仕事に熱心だなあ、と思うのですが、昼ごはんや夕飯時に、家族が声を掛けてみると、お父さんはそのShedの中で、紅茶を啜りながらラジオに耳を傾けて、一人でまったりしていたりするのですね。
夏であればクリケット、冬であればフットボールの実況をラジオで聴きながら読書、新聞、ゲームなどで「孤独を楽しんでいる」のです。家族に嫌がられるタバコを吸うのもこの場所です。
【クローケイは元祖ゲートボールです】
【元々は子供が遊ぶ小屋だったのに、いつのまにかお父さんが住み着くこともあります】
家族からの疎外感や孤独感を、このShedの中では完全なプライバシー空間に転化させているのです。まさにオジサン文化であります。
このプライバシー空間としてのShedに目を付けて、家から隔離された書斎として利用した作家もおります。
児童文学「チャーリーとチョコレート工場」や「ジャイアントピーチ」、サイコ小説「あなたに似た人」「予期せぬ出来事」や、ヒッチコック劇場の原作「羊の殺戮(原題Lambs to the Slaughter)」映画脚本「007は二度死ぬ」など数えきれないほどの名作のほとんどが、このShedの中で生まれたのです。
その作家の名前はロアルド・ダール。
【我が子らが小さい頃に読んだダール本。大人用の本は書庫にあるので、ご勘弁】
この方の作品は「ハリー・ポター」が世に出る前までの50年間、英国では常に文学作品のトップに君臨していたのです。ジブリ作品にも多く影響されていますし、翻訳作品も多いので日本の皆さんはどなたでも、このダール様の作品にはお世話になっていると思います。
記事と画像
ダール様のお蔭、というわけでもないのでしょうが、お父さんの避難所は実質的に市民権を得たかのように英国社会では一般化しています。
毎年、物置小屋コンテストも行われています。
Shed of the year(年次最優秀物置小屋)
歴代のshed of the year
そして、ダール様の住み処は今では一般公開されています。
ロアルド・ダール博物館
http://www.roalddahl.com/museum
http://www.roalddahl.com/museum
記事と画像
ハリー・ポターのインフラは大阪で観られるようになりましたが、ダール様の仕事場、生家、博物館などは英国バッキンガムシャーに来ないと観られませんのことよ。
以上、ブリ吉でした。
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