【GWチャレンジ問題解答・解説】受験生応援企画「具体⇄抽象を変幻自在に操ってサクッと解答 | 合格への道のり("3つの道"編)

合格への道のり("3つの道"編)

これまで宅地建物取引士試験、行政書士試験、司法書士試験、海事代理士試験及びマンション管理士試験に一発合格しました。2022年からは受験生、実務家(士業)及び講師の3つの道を歩みますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m。

皆さん、こんにちは。

リーダーズ総合研究所・講師の板野です。

 

GWはあっという間に終わってしまい、またいつもの日常が再開しましたね。

受験生の皆さんは各々、GW中の目標を掲げて勉強に取り組まれたことと思いますが、学習成果はどうだったでしょうか?

 

仕事や家族の行事などで思うように学習ノルマを達成できなかったとしても、まだまだ挽回の機会はありますので、ここで立ち止まらず(諦めず)、まずは学習習慣や学習法を確立することから始めていきましょう!

 

また、(ある程度)学習ノルマを達成された受験生もGW中の瞬間風速的な成果では全く意味がありませんので、今後もしっかり学習を継続していきましょう!

 

かくいう私のGWは前半から後半まで辰巳法律研究所・東京本校で講義漬けの生活でした。

中でもGW後半(3日・5日・6日の3日間)は朝10時から夕方17時(途中休憩1時間有)まで「主要6科目選択式トレーニング」を受講し、(本試験と同様の多肢選択式ではなく)制限時間内に空欄を補充(記述)する問題演習など、相当ハードな「高地トレーニング」を行いました。

 

本講座にはGW中にもかかわらず多くの受講生が出席され、最後まで熱心に受講されていましたので、私のモチベーションもUPしています。

 

結果、GW10日間で勉強時間100時間を達成!

今後の学習に大きな弾み(勢い)をつけることができました。社会保険労務士試験に向けてプレ直前期は早くも中盤に差し掛かりましたが、早く成績上位集団に追いつき追い越せるよう、今後もしっかり学習を継続していきたいと思います。

 

さて、それでは新企画(番外編)として用意した「GWチャレンジ問題」の解答・解説を始めます。なお、新企画に関する記事(本体)は別途まとめていますので、まだ御覧になっていない方は下記リンクより御覧になっていただけますと幸いです。

 

番外編(GWチャレンジ企画)

(GWチャレンジ問題)

 

 

(解説)

 

 

<合格者の解答プロセス>

Ⅰ.具体⇒抽象の変換力・テーマ検索力

●テーマ候補から迅速かつ正確に本問に適したテーマを絞り込んで法律構成を行う

⇒ 問題文の情報から選択し得るXの反論を検討します。

 

【問題の所在】

Xの反論について、第6回の事例問題と同様、本問でも正当な権原としてのXの土地利用権の有無が問題となります。Xに土地利用権が存すれば、その権利を主張してYの建物収去土地明渡請求を拒むことができるわけです。

 

では、以下にXの土地利用権の有無を検討していきますが、

Q:民法上、そもそも土地利用権として何が規定されていますか?

 

A:民法上の土地利用権として、(約定・法定)地上権、永小作権、地役権、入会権及び賃借権を挙げることができます(第6回復習)

 

【土地利用権の検討】

①約定地上権、永小作権、地役権及び入会権

問題文中、Xがこれらの権利を有する事実の記述はないため、主張することはできません。

 

②法定地上権

問題文中、「Xは、B銀行のために甲土地上に抵当権を設定した。その後、Xは、Aから乙建物を買い取ってX名義の所有権移転登記を了した」と記述されていることから法定地上権の成立要件の1つである「②(甲土地への)抵当権設定当時、土地(甲土地)と建物(乙建物)が同一所有者」を欠くので、主張することはできません(最判昭46.10.14。下記まとめ表②ー2ⅡA【上から2つ目】

cf.類似事案として最判昭44.2.14(建物抵当の場合)

 

image

※第6回資料から抜粋

 

③賃借権

そもそもXがA所有の乙建物を取得した際、賃借権は消滅したのか検討します。

判例によれば、(本問と同様の事案で)特定の土地(本問では甲土地)につき所有権と賃借権とが同一人(本問ではX)に帰属するに至った場合であっても、一定の要件を備えた場合には、民法179条1項ただし書の準用により、賃借権は消滅しないとされています。(最判昭46.10.14)

(重要ポイントノートより抜粋)

 

 

次に、本判例の要件に従って、賃借権が混同により消滅しないための「一定の要件」を検討します。

 

Ⅱ.問題処理力(正確性・迅速性)

●表示されたテーマから(法律構成を行い、)関係する諸法令の要件・効果に当てはめて解答を導く

⇒ Ⅰで検討した「賃借権」の消滅について、脳内の記憶を想起(あの判例ね!)し、判例の要件に当てはめる。

【最判昭46.10.14の要件検討】

①賃借権が対抗要件を具備

 「甲土地上に乙建物を建築し完成」

  ⇒ 借地借家法10条1項により対抗要件を具備

 

②対抗要件を具備した後に甲土地に抵当権が設定

 「乙建物・・・完成した後、Xは、・・・甲土地上に抵当権を設定」

 

 

以上の検討から解答は以下となります。

 

(解答例)

「Xは、Yに対し、」Xの甲土地に関する賃借権は混同により消滅していないことを理由として、賃借権を主張する。(43字)

 

なお、混同について、他資格では過去に出題されている論点であり、(市販の)テキストにも記載はあると思います(解法ナビゲーション講座でも1テーマとして取り上げています)。

(解法ナビゲーション講座肢別ドリルより抜粋)

 

ただ、同一判例(最判昭46.10.14)について、

①179条1項を学習する際は、「賃借権に対する混同消滅の準用」として学習

②388条を学習する際は、「法定地上権の成立の可否」として学習、することが多いと思いますので、本事例問題を契機として①②の知識を結びつけておきましょう!

 

 

師匠による新企画解説記事

私は行政書士試験の受験年に1Dayゼミを受講して初めて師匠から学習法を学んだ時、衝撃を受けました。それ以来、行政書士試験合格後に基本書フレームワーク講座やリーダーズゼミを受講して学習法を習熟させ、司法書士試験や海事代理士試験、マンション管理士試験に合格することができました。

 

師匠のブログには学習法に関する有益な情報が満載なので、勉強の合間などに是非御覧になってみて下さい。

 

 

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