【記憶用】(捜査編)基本定義集 | 合格への道のり("3つの道"編)

合格への道のり("3つの道"編)

これまで宅地建物取引士試験、行政書士試験、司法書士試験、海事代理士試験及びマンション管理士試験に一発合格しました。2022年からは受験生、実務家(士業)及び講師の3つの道を歩みますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m。

学習の初期段階では、記憶を意識し過ぎると記憶量の多さに圧倒され、勉強が嫌になります。 その一方で、全く記憶しないとエビングハウスの忘却曲線により、すぐに知識の大半が抜けていきます。

 

 

記憶は"理解"を前提としてフレームワーク手法を活用して脳内の引き出し作りから始めるとともに、法令用語は早い段階で常識レベルにすべきと考えており、本ブログでは後者、すなわち法令用語について隙間時間があればスマートフォンなどからいつでも記憶することができるようにするため、記事にまとめました。

★:特に重要な定義

STEP.1捜査の意義

 

 

①捜査の意義

捜査とは、捜査機関が証拠を発見して収集する(証拠の収集保全)とともに、犯人を発見して確保する(被疑者の身柄保全)活動をいう。

②捜査の目的

捜査の目的は、起訴・不起訴の決定を適正に行い、公判を遂行することにある。

 

STEP.2捜査の端緒

捜査の端緒とは、「犯罪があると思料する」に至った原因(捜査を開始するきっかけ)のことをいう。

③申告(届出・通報・報告)

申告とは、被害者・被害関係者、目撃者、警備会社その他の者から、警察に対して犯罪があったことを知らせることをいう。

④職務質問

職務質問とは、警察官が挙動不審者等に対して、停止を求めて質問することをいう(警職法2条1項。

⑤検視

検視とは、人の死亡が犯罪によるものかどうかを判断するために、検察官が五官の作用により、変死体または変死の疑いのある死体の状況を検分することをいう(刑事訴訟法229条1項)。

⑥告訴

告訴とは、被害者その他一定の者(告訴権者)が、検察官または司法警察員に対して、犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求める意思表示をいう(刑事訴訟法230条)。

⑦告発

告発とは、犯人または告訴権者以外の第三者が、捜査機関に対し、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示をいう(刑事訴訟法239条)。

⑧自首

自首とは、捜査機関に発覚する前に犯人が進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告し、その処分に服する意思表示をいう(刑法42条)。

 

STEP.3捜査の手段

相手の同意を得て(=任意処分を用いて)行う捜査を任意捜査、同意なく強制的に(=強制処分を用いて)行う捜査を強制捜査という。

 

  (1)証拠の発見・収集

証拠物に対する押収

⑨押収

押収とは、捜査機関が物の占有を取得する処分をいう。

押収には、領置と差押えがある。

⑩領置

領置とは、遺留物や任意提出物の占有を取得し、保持する処分をいう(刑事訴訟法101条・221条)。

⑪差押え

差押えとは、所有者・保持者・保管者の占有を強制的に排除して、物の占有を強制的に取得し、保持する処分をいう(刑事訴訟法99条1項、218条1項、220条1項)。

 

現場の状況を証拠化する検証・実況見分

⑫検証

検証とは、五官の作用により、場所・物・人の身体について、その性質・形状・状態を認識する強制処分をいう(刑事訴訟法218条1項)。

⑬実況見分

実況見分とは、五官の作用により、場所・物・人の身体について、その性質・形状・状態を認識する任意処分をいう。

 

鑑定嘱託

⑭鑑定嘱託

鑑定嘱託とは、捜査機関から、特別の知識経験を有する専門家の判断を求めること(任意処分)をいう。

 

供述証拠

⑮供述調書

供述証拠とは、言葉によって事実が表現された内容を証拠とするものをいう。

 

  (2)身体の拘束

⑯逮捕

逮捕とは、捜査機関が実力を持って被疑者の身体の自由を拘束し、その効果として引き続き一定の時間拘束の状態を続ける強制処分をいう。

⑰(被疑者)勾留

被疑者勾留(起訴前勾留)とは、捜査機関が、逮捕に引き続いて、長時間にわたり被疑者の身体の自由を拘束する強制処分をいう。

 

STEP.4捜査の基本原則

⑱任意捜査の原則

任意操作の原則とは、捜査機関は捜査を進めていく上で、任意処分を手段とする任意捜査を原則としなければならないとする原則をいう(刑事訴訟法197条1項)。

⑲強制処分法定主義

強制処分法定主義とは、強制処分は刑事訴訟法に特別の規定がある場合にしか行うことができないという原則をいう(憲法31条、刑事訴訟法197条1項ただし書)。

(強制処分法定主義の趣旨) ⇒強制処分と任意処分の区別

・民主主義的要請(=強制処分の内容は国民の代表である国会が法律で定める)

・自由主義的要請(=強制処分の内容が事前に明らかにされることによって、国民の行動の自由を保障する)

cf.罪刑法定主義

⑳令状主義

令状主義とは、強制処分は、原則として中立公平な立場にある裁判官が事前に審査した上で令状を発付しなければ、行うことができないとする原則をいう(憲法33条・35条、刑事訴訟法199条1項・218条)。

(令状主義の例外)

・現行犯逮捕

・緊急逮捕

・逮捕に伴う捜索・差押え

㉑比例原則

比例原則とは、国家機関による個人の権利・利益の侵害・制約は、必要性に応じた相当なものでなければならないとする原則をいう。


㉒おとり捜査

おとり捜査は、捜査機関又はその依頼を受けた捜査協力者が、その身分や意図を相手方に秘して犯罪を実行するように働き掛け、相手方がこれに応じて犯罪の実行に出たところで現行犯逮捕等により検挙するものである。