皆さん、こんにちは。
リーダーズ総合研究所・講師の板野です。
27日(水)は関東運輸局において「海事代理士(筆記)試験」を受験しました。
実況中継
貴重な受験体験でしたので、忘れない内に実況中継として、当日の動きを時系列でまとめておきます。
(午前)
5:30頃 :起床、準備
※前日は23時頃に就寝
6:30過ぎ :自宅を出発
7:00~9:00 :電車内で勉強
(勉強内容)
・2時限目の3法令及び1時限目の1法令(国土交通省設置法)について、伊藤塾「筆記試験対策演習講義」を2倍速で受講
・講義中、記憶が曖昧な条文は「海事六法」を引いて都度記憶に刷り込み
・スマートフォンにまとめた目的条文の読み込み(全法令)
※電車内は少し混雑していましたが、幸いにも座って勉強できました。
9:00頃 :関東運輸局到着、入館手続、トイレ
9:00~10:00 :試験会場で勉強
(勉強内容)
・1時限目の3法令(憲法、民法及び商法)について、伊藤塾「筆記試験対策演習講義」を2倍速で受講
・講義中、記憶が不完全な知識は「海事六法」などで都度条文を確認
以下の画像は試験会場となった共用第2会議室ですが、私の席は前から3番目でした。前後は受験生が欠席したために空席でしたが、2人掛けテーブルの隣は年配の男性が私よりも少し遅れて着席しました。
なお、ザッと会議室内を見渡したところ、男性の受験生比率は90%くらいです。
(関東運輸局1階共用第2会議室【試験会場到着時】)
10:15~11:15 :(1時限目)
(受験雑感)
・国土交通省設置法、商法、民法、憲法の順に解きました(1時限目以降も、原則として問題冊子の最後に掲載の法令から順に遡って解きました)
・最初に問題用紙にシャープペンシルで解答案を書き込んだ後、正解を確信したものから順に解答用紙にボールペンで解答を記入しました。
※解答用紙には黒鉛筆、シャープペンシル、ボールペンのいずれも可ですが、最も馴染みのあるボールペンを使いました
・何問かは悩みましたが、単純な条文問題は条文自体を知らないといくら考えても正解が浮かんでくるはずもないので、割り切って解答しました。
10:45頃 :全ての解答が終わったので30分経過した段階で途中退席し、EVで16階の会議室AB(控え室)へ移動して勉強
※試験開始後30分経過すると試験官から途中退席可能との説明があります。
10:45〜11:15 :控え室で勉強
11:15~11:35 :試験会場の共用第2会議室に移動して続きを勉強
(勉強内容)
・船舶職員及び小型船舶操縦者法、船員職業安定法について、伊藤塾「筆記試験対策演習講義」を2倍速で受講
・試験会場に移動した後、船員法について「海事六法」にマーカーしている条文を中心に読み込み
11:35~12:20 :(2時限目)
(受験雑感)
・2時限目の3法令の中で得点源の「船舶法」で知識が曖昧な問題が多く、解答時間が足らなくなって途中退席できませんでした。
・船員職業安定法、船員法、船舶職員及び小型船舶操縦者法の順で解答しました。
・問題用紙、解答用紙への記入の仕方は1時限目と同様。
・2時限目が終わった瞬間、合格できないかもと感じました。
(午後)
12:20~13:10 :試験会場で勉強(この間に昼食はしませんでした)
(勉強内容)
・2時限目の結果が気になったので、肝心の3時限目の法令について勉強する気にならず、1・2時限目とも可能な範囲で自己採点したところ、70点程度/90点満点(正答率78%)の見込みと判明
・思ったより点数が悪くなかったので、試験開始直前に「海事六法」のマーカーしている条文を中心にザッと確認
⇨ ここまで根を詰めて勉強してきたところ、結果論ですが、自己採点することで少し脳を休めて一息つけたのが良かったと思います。
13:10~14:40 :(3時限目)
(受験雑感)
・領海等における外国船舶の航行に関する法律は比較的簡単だったので無難に解いた後、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律を解きましたが、あまりに知らない知識の連発で大きく失点するだろうと思い、比較的得意な海運3法(海上運送法、港湾運送事業法、内航海運業法)を解いて高い正答率を確信し、最後に海上交通2法(港則法、海上交通安全法)を解きました。
・海運3法のおかげで少し2時限目のリカバリーができたと感じ、4時限目に勝負をかけるため、途中退席(本日1番の勝負どころ)
・ちなみに、ここまでの得点の感触は120点/160点満点(正答率75%)くらいです。
13:50〜14:40 :控え室で勉強
14:40~15:00 :試験会場で勉強
(勉強内容)
・3時限目までの結果を踏まえ、4時限目に一気に勝負をかけるため、主要2法令の船舶法、船舶安全法について、伊藤塾「筆記試験対策演習講義」を2倍速で受講
・マイナー4法令については「海事六法」にマーカーしている条文を中心に読み込み
・3時限目が終わった段階で少し安心したのかお腹が空いてきたので、控え室で勉強しながら軽食(カロリーメイト、速攻元気ゼリー)
※試験会場内は飲食禁止、控え室は可
15:00~16:30 :(4時限目)
(受験雑感)
・4時限目は途中退席しないと決めており、最初からリラックスして受験できました。
・まず船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律を解いた後、これまで通り国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律、船舶のトン数の測度に関する法律、造船法の順で問題冊子の後ろから解き、この段階で合格ラインを突破できそうだと確信しました。
・その後、メイン2法令を船舶法、船舶安全法の順で解きましたが、船舶安全法は難しくて苦戦しました。
・45分ほどで全て解答できたので、途中退席しても良かったですが、模範解答を入手するためには4時限目の終了後、再び試験会場に参集する必要があったので、そのまま試験会場にいました(おかげで、見直しの段階で1問ミスを発見し、修正)
・4時限目を終えた段階で脳が疲れ果ててしまいました。
16:30 :試験終了、模範解答の配布
17:00〜19:00 :電車内で自己採点(2回行った)
自己採点の結果
総括(185点/240点満点【正答率77%】)
受験後に試験会場で配布された「模範解答」に従って自己採点した結果、185点/240点満点(正答率77%)でした(伊藤塾の目標得点:149点)
約1ヶ月の学習成果としては上々の出来ではないかと思いますが、記述式問題が半分くらいあるのでまだまだ思わぬミスがあるかもしれません。
実際、1回目の自己採点では190点としてポスト(旧ツイート)したところ、2回目の自己採点で新たに5箇所もミスが発覚したし、あるいは、記号を解答する問題においてもケアレスミスの可能性はありますが、とりあえず合格ラインである総得点の60%、144点は突破できたのではないかと思います。
※伊藤塾の「筆記試験後の総評」を受講して
「成績診断アンケート調査」に協力した32名の受験生の平均が184.40点とはめっちゃ高すぎる・・・。
(合格基準)
(試験会場で配布された資料)
(過去5年間の筆記試験正答率)
令和4年度 :60.79%
令和3年度 :59.50%
令和2年度 :61.92%
令和元年度 :62.75%
平成30年度 :64.18%
※令和5年度の筆記試験正答率について、伊藤塾は62.08%(149点)と予想
1時限目(35点/40点満点【正答率88%】)
(内訳)
①憲法 :10点/10点満点(伊藤塾の目標得点:8点【易】、以下同じ)
②民法 : 8点/10点満点(目標得点:5点【並】)
・民法644条(受任者の注意義務)に関する問題で、「善良な管理者」(の注意義務)と解答すべきところ、「善良なる管理者」と「る」を記入してしまった(痛い失点▲1点)
・民法203条(占有権の消滅)に関する問題で、占有の訴えと占有回収の訴えのいずれかで迷って占有の訴えと解答したところ、正解は「占有回収の訴え」の方だった。
③商法 : 9点/10点満点(目標得点:7点【易】)
・商法694条(船舶共有者の持分買取請求権)に関する問題で、大規模な修繕、大修繕、修繕のいずれかで迷って修繕と解答したところ、正解は「大修繕」だった。
・商法714条(船長の報告義務)に関する問題で、報告先を船舶所有者か管海官庁のいずれかで迷って船舶所有者と解答したところ、正解だった(+1)
④国土交通省設置法 : 8点/10点満点(目標得点:7点【易】)
2時限目(34点/50点満点【正答率68%】)
(内訳)
⑤船員法 13点/20点満点(目標得点:12点【やや難】)
・全体的に学習したことがない知識が多く出題されており、失点
・問題3(船員法1条2項で規定する同法の適用を受けない船舶)において、「総トン数5トン未満の船舶」と解答すべきところ、5トン未満の船舶と、「政令の定める総トン数30トン未満の漁船」と解答すべきところ、30トン未満の漁船と不完全な解答をしてしまった(痛い失点▲2点)
※模範解答には「部分的な内容でも正解とする」とあって正誤判断不能だが、自己採点では不正解とした(正解であれば+2点)
⑥船員職業安定法 8点/10点満点(目標得点:5点【並】)
⑦船舶職員及び小型船舶操縦者法 13点/20点満点(目標得点:12点【並】)
・条文穴埋め問題で何度も学習した条文の想定していなかった部分が空欄とされたため、失点
・法18条2項(船舶職員の乗組みに関する基準)に関する問題で、「二十」(歳)と解答すべきところ、「二十歳」と「歳」まで記入してしまった(痛い失点▲1点)
・問題3(乗船履歴として認められる期間に関する計算問題)について、時間が足らなくなって3分くらいで解いて運よく正解できた(+2点)
3時限目(51点/70点満点【正答率73%】)
(内訳)
⑧海上運送法 7点/10点満点(目標得点:7点【やや易】)
・1条(この法律の目的)に関する問題で、「公共の福祉」と解答すべきところ、公共の利益と記入してしまった(痛い失点▲1点)
⑨港湾運送事業法 8点/10点満点(目標得点:7点【並】)
⑩内航海運業法 8点/10点満点(目標得点:6点【並】)
・⑧⑨⑩の合計得点目標が18点であるところ、23点も採れたのは上出来(⑬の失点をリカバリーできた)
⑪港則法 7点/10点満点(目標得点:5点【難】)
⑫海上交通安全法 7点/10点満点(目標得点:4点【難】)
・⑪⑫とも問題3(4肢選択問題【正誤判断問題】)で大きく失点
⑬海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律 5点/10点満点(目標得点:3点【難】)
・半分以上未学習の知識だったため、5問も正解できたのは奇跡?
⑭領海等における外国船舶の航行に関する法律 9点/10点満点(目標得点:7点【易】)
4時限目(65点/80点満点【正答率81%】)
(内訳)
⑮船舶法 :18点/20点満点(目標得点:14点【やや易】)
・「三分の二以上」と解答すべきところ、最後の見直し段階で「以上」が抜けていることに気づいて慌てて「以上」を記入(見直しで1問救済+1)
⑯船舶安全法 :13点/20点満点(目標得点:12点【難】)
・問題2(正誤判断問題)で学習したことがない知識が多く出題されたために失点
⑰船舶のトン数の測度に関する法律 :10点/10点満点(目標得点:8点【易】)
⑱造船法 : 9点/10点満点(目標得点:7点【易】)
⑲国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律 : 7点/10点満点(目標得点:6点【並】)
⑳船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律 : 8点/10点満点(目標得点:7点【並】)
※マイナー4科目⑰⑱⑲⑳で34点/40点満点も採れたので、⑯の失点を十分リカバリーできた
勉強内容
学習計画
(学習開始時期)
8月26日(試験日の約1ヶ月)前と他の受験生と比べると相当遅いスタートです。
「海事代理士合格マニュアル(7訂版、日本海事代理士会編)」で試験概要を調べてから学習計画を作成した後、実際には27日から受験勉強に取りかかりました。
(学習計画)
①前半(9月14日以前)
概ね9月14日までは「理解フェーズ」として、「海事六法(海文堂)」で条文を読込みつつ、画像の「基本書・実務書」などで徹底して立法趣旨や制度趣旨を理解しました。
なお、勉強を始めた頃は海事に関する専門用語の意味がわからず、あるいは船舶法や船舶安全法などは文語体の法令なので読み方すらわからない条文もあって、直ちに入門書を購入し、船舶や造船に関する基礎(中の基礎)を勉強しました。この勉強法が奏功したのか、海事法令の理解を促進するための近道だったと確信しています。
②後半(9月15日以降)
15日以降は、伊藤塾の「海事代理士合格講座」を活用して知識の絞り込み(集約)をした上で、絞り込んだ情報を繰り返し記憶しました。いわゆる"皿回し暗記術"の実践です(詳細は下記の記事を参照して下さい)。
なお、この時期の反省点としては、1つの法令を勉強した後、1週間くらい空けてから再度当該法令を勉強したことです。記憶が定着していない学習初期段階では学習期間を開けてしまうとどんどん忘れていくので、20日以降はこの点を修正し、全20法令とも2日と空けず、記憶の作業を繰り返しました。
本試験で十分使える盤石なコア知識を記憶することができたのは、これまでの勉強法に加えて、途中で記憶の仕方をリカバリーできたことだと確信しています。
なお、国土交通省HPでは平成28年度以降に実施された海事代理士試験の過去問が掲載されていますが、結果として憲法と民法以外は解いていません。過去問を活用して知識の絞り込み(集約化)をするのであれば格別、私は知識の集約化に要する時間短縮を図る観点から伊藤塾の「海事代理士合格講座」を受講したので、過去問は不要と考えました。
(総括)
9月に入って仕事やプライベートでは色々とトラブルなどが続きましたので何度か勉強が中断せざるを得ませんでしたが、専業受験生であれば格別、私は現在、講師と事業家(の卵)を兼務しているので、その対応をするのは社会人として当然だし、こうしたハードルは社会人受験生であれば、誰しも抱えていることだろうと思います。
要はこうしたトラブルに直面した際、勉強するという強い気持ちを切らさず(腐らず)、対処後にリカバリーしていく意識を持ち続けることだと思いました。
そして、今回の海事代理士試験の受験には・・・、
①受験生として、諸事情とは言え、昨年度のマンション管理士試験及び今年度の社会保険労務士試験と2回続けて受験回避したので逃げ癖を打破し、
②実務家(士業)として、これまで取得したライセンスに海事代理士という新たな付加価値を加え、
③講師として、これまで受験生の皆さんにお伝えした勉強法を自ら実践し、その有効性を再検証する、という3つの意味がありました。
加えて、未成年後見人として伯母の養子に手本となる勉強法を教えることができたので、4重の意味で大きな成果を上げることができたと実感しています。
最後になりましたが、最後まで応援してくれた家族や職場の皆さん、試験当日まで応援コメントやメッセージ、いいね!を下さった(Xも含めた)SNSのフォロワーさんにはありがとうございました。
個別の返信はできておりませんが、この場をお借りして感謝申し上げます。