ペナルティは払わない | インド

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インドのことを綴っています。

それからしばらく関税局のオッサンに対する呪詛を唱える日々が続きましたが
オッサンに当っても仕方がないとついに悟ります。
むしろオッサンはちゃんと自分の任務を忠実に遂行したので罪はない。

……いやある!

ちゃんと連絡よこせオッサン!


その後、色々と考えた結果、罰金払ってでも荷物を奪還することに決めました。

中身がしょうもないものだったならそのまま諦めていましたが、
自分にとって大事なものが入っている物でしたので致し方なく。
少なくとも27000円以上の価値はある……。

再度関税局に赴くために、先日オッサンからもらった必要書類リストの記載された紙を見ます。

【必要書類(私の場合)】
①輸入/輸出ナンバー
②インボイス/カタログ/価格表
③輸入/輸出の目的
④支払い/送金の証明
⑤購入時のレシート(?)
⑥価値の証明書


①輸入/輸出ナンバー
おそらく、EMSの追跡番号で事足りるはず。

②インボイス/カタログ/価格表
インボイスを作り直せばそれでいいはず。

③輸入/輸出の目的
個人使用。上述のインボイスに追記する。
そして元々のインボイスでは記載していませんでしたが、今回はしつこいくらいに「used」の表記を入れる。

④支払い/送金の証明
何に対する支払いの証明のことを指しているのか謎。
とりあえず、手持ちにEMS発送時の発送代金のレシートを残していたので
それを提出してみることにする。

⑤購入時のレシート(?)
「Purchase Bill」とあるけど、いまいち何のことかわからない。
勝手に購入時のレシートのことだと思いましたが、そうだとしてそんなもの残しているわけがない。

⑥価値の証明書
どうやって証明しろと言うんだ……、レシートなんてもうないのに。
貨物の中身ごちゃごちゃで自分でも何が入っているか半分思い出せない状態なのに、どうしろと。
(※半分自己責任)


色々と面倒ですが投げ出すにはまだ早いです。

インドでは何をするにも三顧の礼というか、
最低でも三回は手続きをする場所に足を運ばなければ、事が前に進まないということを
私は滞在一ヶ月目にして既に心で理解しておりました。

そこで、この際⑤と⑥は一旦無視して、
①~④の書類のみでゴリ押しできないか試してみることにしたのです。
どうせ次の二回目でも解決しないはず、ネゴれるだけネゴる。

この国では「ダメ元」「ゴリ押し」という概念が案外通用するのです。

新しいインボイスは総額が5000円くらいに収まるように作り変えます。
それでも規定分は超過していますが、以前言われた16000ルピー級の罰金は
支払わずに済むのではないかという淡い期待を抱いてみます。
内容物の総額に応じて罰金が決まるのなら、総額の数字を減らせば罰金も減額になるはずです。
そうであってほしい。

元々のインボイス総額が25000円だったのに対し、今回は5000円に作り変えてあるので
そこを突っ込まれたらもうどうしようもないですけど。


~後日~

私「来ましたよ」
オッサン「おう」
私「書類持ってきました」
オ「見せてみ」

オ「(書類チェック中)」

私「⑤と⑥の書類ですけど用意できそうにないです」
私「罰金だけはちゃんと払いますんで、もうそれで勘弁して荷物返してくれませんかね」

オ「OK」


私「は?」

オ「インボイスこれで良いよ、じゃあ明日の2時以降に最寄りの郵便局で荷物受け取ってね」

明らかに書類、不足しているのに、これでいいのか。
とてもお役所のやることとは思えない適当っぷりに閉口する私。

ですが、ここでワーワー言ったらまた面倒なことになりそうなので華麗にスルーします。
荷物が返ってくるのならそれに越したことはありません、ここはツッコんだら負けなのです。

私「明日の、2時以降、最寄りの□□郵便局ですね?」

オ「そうだよ、耳悪いのか?(笑)

またもや煽られましたが、荷物が無事受け取れそうとのことで余裕のガン無視です。
しかし、これ以降は絶対にここには来るまい、オッサンの顔は金輪際見たくありません。

~翌日~
郵便局に2時過ぎに行った私。

私「荷物届いてます?」
郵「ないよ!明日また来な!」

~さらに翌日~
私「荷物は 郵「ない!」

オッサン!!!

「オッサン!オッサン!!!」
オ「……また来たのか」
私「郵便局!行った!荷物!届いてない!オッサン!!
オ「え、嘘でしょそんなはずは……」
「オッサン!!!」
オ「ちょっと待ってろ」
「オッサン!!!」

数分後。

オ「まだ荷物、郵便局に発送されてなかった」
「オッサン!!!!」
オ「明日になったら多分届いてるよ」

「オッサン!!!!!」


このオッサンはなかなかに運が良いです。
もし、私がもうちょっとだけ気が短い方だったら、カッとなってやっていたかも知れません。


そしてその2、3日後、ようやく郵便局に荷物が届きます。
郵便局に引取に行き、罰金を支払う用意もできた私。

私「罰金いくら?(どうせ16000ルピーでしょ……)」
私「(さよなら、色々買えたかもしれない27000円……)」


郵「えーと、930ルピーだね」


「……え!?あ!?よっしゃ!?」

私「よっしゃ!!!?!(混乱)」


大勝利。
インボイスを書き換える作戦が功を奏した瞬間でした。

何にせよ、これで一ヶ月にも及ぶEMSを巡る闘いは幕を閉じたのです。
完全勝利とまではいかないですが、判定勝ちぐらいは貰えそうです。
後半戦で凄い追い上げを見せたんじゃないでしょうか。
自分にナイスガッツ。

箱
届いた箱はさながら歴戦の猛者のようです

・終了後の感想
死ぬほど面倒でしたが、これで次回からEMSを使うときは絶対に税関に引っかからないように
細心の注意を払うようになることでしょう。
無事に荷物は届いたので終わりよければ全て良し、ということにしておきます。



~エピローグ~

なんとか事態をやや円満に終わらせることになるその前日、私宛に一通の封筒が届きます。
差出人は関税局。
まだ何かあるのか…、まさか追加で罰金か?と恐る恐る封筒を開けるとそこには

『貨物引き留めのお報せ』

えーと、何々……、
「あなたの荷物は規定の2000ルピーを超過しているので罰金が発生します」
「必要書類は①~~②~~……

あれ……、これ、内容どこかで見たことある。
あのオッサンがくれた必要書類リストの載ってる紙じゃ「発行:2014年7月2日」

!?

!?


!!???


私はそのとき理解したのです。

郵便局が、私宛の、7月2日から数日後に届くはずだった封筒を、

配達し忘れて

終いには一ヶ月近くも放置していたということを。


オッサン、あなたは何も悪くなかった。


INDIA POST、仕事しろ。


仕事しろ!!!!!!


人人人_
> 完 <
 ̄Y^Y ̄



【今回のEMS】

ヘドホン
私のヘッドホンがああああああああああああ