「GUILTY/GLAY」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

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ドエルさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある私がお送りするこのブログ。アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

「この前、カラオケでDir en greyの「脈」にチャレンジしてみました、友達は”聲が痛みを感じている”と少し深いことを言ってました。」というわけで今回は「GUILTY」のレビューでございます。前作「JUSTICE」と同時発売された今作は今まで通り、佐久間正英プロデュース作品となっていて、お馴染みのGLAYサウンドを堪能することができます。このアルバムで佐久間正英プロデュースは最後となります。佐久間プロデュースの集大成、究極のサウンドを堪能しようと思います。レッツゴー!

 

アルバム「GUILTY」のポイント

 

・前回書き忘れたのですが、今作のレコーディングはライブと重なっていたために、リハーサル室の隣にスタジオ作ってレコーディングをしていたというエピソードは有名ですよね、メロディが浮かんだらすぐに曲に入れてしまおうという感じが楽しそうです。

 

タイトルのGUILTY」(JUSTICE」)はHISASHIがギターに付けた名前から付けられたらしいです。

 

・今作にはメンバー4人がそれぞれ1曲づつ制作した43thシングル「G4Ⅱ~RED MOON~」から3曲、シングル2曲が収録されていています。さらにミニアルバムから1曲ということで半分以上が既出楽曲となっていますが、それぞれの楽曲がうまくハマり闇から光へ抜けていくような感じで進行していくのが今作の特徴だなと思いました。

 

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青→シングル曲 黒→アルバム曲)

 

1.「Red moon & Silver sun ~ My Private "Jealousy"」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

インスト曲「Red moon & Silver sun」と44thシングル「My Private "Jealousy"」を合体させた完全体でございます。「Red moon & Silver sun」のオーケストレーションを担当した島健さんはさくら期のサザンオールスターズのオーケストレーションを担当していたのが印象的に残っています。木管楽器と弦楽器、ティンパニも派手に登場し、時代劇の思わせる壮大な幕開けです。その後は荒々しいバンド達が登場。ギターが会話...いや言い合いしてますね。リアリティがあります。終わった恋と夢の跡地、何かだった2人が決別する浮かぶ歌詞が乗ります。

 

2.「everKrack」(作詞:HISASHI作曲:HISASHI)

 

「Oh~Yeah!」な掛け合いを楽しめる43thシングル「G4Ⅱ~THE RED MOON~」の1曲目。今回のHISASHI曲はサイバーサウンドとバンドサウンドが融合した世界観が特徴です。HISASHI本人が社会に訴えかける、所謂風刺系の歌詞と解説していましたが、歌詞の言葉遊びがHISASHIワールド全開のため言われてみないと気づかないのが難点。でも、こういった事例は”HISASHI曲あるある”なのであまり気にならないかもですね。

 

この曲のMVには芸人の永野が登場しています。「ラッセン」でブレークする前の貴重な映像ですが、自分はブレイク後に永野を知ったので、逆に新鮮でした。ネタのクセ強っ笑

 

 

 

3.「FACTORY」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

工場内の機械音のS.Eから始まる二長調という明るい調とは裏腹に不穏な雰囲気が漂う楽曲。これは朝焼け時なのか夕暮れどきなのか分かりませんが、泣きわめいているような楽器達が特徴です。主人公の心境とリンクしている感じがします。「希望を持って入社した会社なのに、実態は使えなかったらすぐにリストラされてしまう」という社会風刺を織り交ぜた歌詞が特徴です。個人的にはみんなのトラウマでお馴染み「星のカービィ64」の「こうじょうけんがく」を思い出しました。

 

4.「冬の遊歩道」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

タイトルからサイモン&ガーヴァングルの楽曲を思い出す、アコースティックな香りが漂うウィンターバラード。失った恋を後悔しながら忘れようとする主人公の様子が投影された歌詞が乗っかります。GLAYあるあるですが「恋」を季節に置き換えた比喩表現も美しいですよね。

 

5.「華よ嵐よ」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

少し和風なイントロから始まる4つ打ちのダンサブルな楽曲。DJ.Massさんを招いてのアレンジですが、今回はシンセサイザーを多用したアレンジでは無く、サンプリングギターを多く使ったアレンジが特徴です。エフェクターを使ったギター音とサンプリングギターの音色が綺麗に合わさり、それぞれの音がまるでシンセサイザーのようにカラフルに彩っているのが凄く印象的。ダンスミュージックの世界観っていってもこういったアレンジでも作ることが出来るんだと自分のイメージを覆した斬新な楽曲です。

 

6.「キリノナカ」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

43thシングル「G4Ⅱ~THE RED MOON~」の2曲目。今回のTAKURO曲は疾走感のあるバンドサウンドとバックで哀しく降るピアノの雨粒が融合したどこか初期の香りを感じる楽曲。歌詞のテーマは「不倫」ということなのですが、自分が過去に聴いてきた「不倫」をテーマにした楽曲とは違って、割と場景がハッキリ綴られていて分かりやすいのが印象的でした。入ってはいけない領域に足を踏み入れてしまった主人公の焦りが見て取れますね。

 

7.「初恋を唄え」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

ストリングスとピアノが美しく舞う卒業ソング。コーラスにはGLAYの母校である合唱部が参加していて、青春時代の終幕を表現しています。歌詞も卒業間近の2人にスポットを当てて展開していて、主人公の心にゆらめいていた片想いの行く末にご注目です。TAKUROがこの曲についてインタビューで「高校3年間を手に入れるなら人生のラスト10年要らないいいて人もいるぐらい重要な時期」と答えていて、思わずグッときてしまいました。なぜなら、自分の年代は高校時代を半分以上失ったのですから。

 

8.「Bible」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

45thシングル。美しいピアノの旋律のイントロから始まりバンドサウンドが鳴り響くバンドサウンドになだれ込みます。それぞれの楽器が拳を交じえるカッコいいロックナンバーです。個人的に気になったのはサビが2ビートになるところですね。8ビートにするといつものGLAYになってしまうから、違うアプローチにしたかった感じがしますが、その分楽器隊の破壊力が強くなってボーカルを食っちゃっているようにも思えてしまいました。東日本大震災後の日本へ向けて、そして世界へ向けて訴えかける凄く深い歌詞なので、余計にソコが引っかかってしまうのです。

 

9.「Ruby's Blanket」(作詞:TAKURO 作曲:JIRO)

 

43thシングル「G4Ⅱ~THE RED MOON~」の4曲目の収録されたJIRO曲で疾走感のあるナンバー。JIROお得意のパンク曲に比べると今回はポップ色が強い印象ですが、やはりバンドサウンドに重きを置いた楽曲になっています。ライブのエンディングを思わせる感じがしますね。お別れは寂しいけれど、今日はありがとう!と、ファンへの感謝が綴られた歌詞になっています。

 

10.「君に会えたら」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

ミニアルバム「Hope and the Silver Sunrise」に収録された楽曲がまさかの参戦。でも、これは確かにアルバムの垣根を越えるレベルのTAKURO、そしてメンバーの感情が籠もった深い楽曲です。東日本大震災を受けて誕生した楽曲で、いなくなってしまった最愛の人へ逢いたいという気持ちが綴られた3連符の楽曲です。TERUも半泣きの状態で歌っている感じがして、どんな気持ちでレコーディングしたのかそれが音楽越しにとんでもなく伝わります。

 

というわけで10曲聴いていきましたがいかがでしたでしょうか。上にも書いたように収録曲「華よ嵐よ」が印象的で、自分の「ダンスミュージック」のイメージを覆した楽曲でした。驚きとともにこういった表現も出来るよと勉強にもなりました。アルバムは全体的にダークな曲が多い前半戦、明るくて世界平和を祈るTAKUROの曲が集まる後半戦と曲のまとまりがしっかりしていてすごく楽しめましたね。しかし、43thシングル「G4Ⅱ~RED MOON~」に収録されたTERU曲だけ収録されなかったのは少し寂しかったです。というわけで、今回はここまでになります、ありがとうございました!