「JUSTICE/GLAY」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

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ドエルさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある私がお送りするこのブログ。アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

「カラオケに行ったときは必ずDir en greyの「Cage」を1曲目に歌って周りの反応を見てから2曲目以降何歌うか決めている私です。」ほんなわけで、今回はGLAYの11thアルバム「JUSTICE」のレビューでございます!12thアルバム「GUILTY」と同時発売されました。前作の最後に書いた面白いことを早速していますね。今作はセルフプロデュース作品になっており、過去作品、そして「GUILTY」とは異なる世界観を持つ楽曲が多いらしいですよ。あの楽曲のストック曲から今作発売前のできたてほやほやのシングルまで駆け巡る楽曲が勢揃いした今作、果たしてどのような世界が広がっているのでしょうか?凄く楽しみですね。

 

アルバム「JUSTICE」のポイント

 

・セルフプロデュースということで、生音が多く採用された楽曲が多いですね。ギターのエフェクターを使った変幻自在な音色が多いです。この感覚は「THE FRUSTRATION」を思い出させます。

 

・タイトルのJUSTICEGUILTY)はHISASHIがギターに付けた名前から付けられたらしいです。

 

・同時発売された46thシングル「JUSTICE [FROM] GUILTY」、47th「運命論」にて(メンバー全員がそれぞれ書き下ろした自社発売44thシングル「G4Ⅱ」以来)、HISASHI曲、JIRO曲がそれぞれ表題曲に抜擢されました。(TERU曲はデジタルシングルで既に表題曲を担当)それぞれのメンバーの楽曲をA面にしてスポットを当てるという事はTAKUROが事務所を独立したときから計画していたことらしく、この後、更に表題曲の音楽の幅がさらに広がることになります。

 

それでは行ってみましょう。

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青→シングル曲 赤→カップリング曲 黒→アルバム曲)

 

1.「WHO KILLED MY DIVA」(作詞:TAKURO 作曲:JIRO)

 

JIRO作曲のノリの良いオルタナティヴロックナンバーで開幕。「Garage Band」を使って制作された楽曲であるということからイントロでは「Modern909」のシンセドラムの音源が鳴り響いています。和訳すると「私の歌姫を誰が殺したの?」という一見すると不穏なタイトルではあるのですが、歌詞を観ると過去の彼女が彼女自身を殺したという感じになり、殻を破ったというポジティブな歌詞になっています。

 

2.「ROUTE 5 BAYSHORE LINE(album ver)」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

今作唯一のカップリング曲から参戦。バンドサウンドと陽のように突き抜けるようなシンセ音を全面に押し出した夏らしい爽やかとしたナンバー。目的地の神戸まで阪神五号湾岸線をドライブデートにシチュエーションの歌詞になっていて「USJ」といったスポットが出てくる遊び心がある歌詞にも注目です。

 

3.「PARADISE LOST」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

一気に雲行きが怪しくなり現れたのは「失楽園」というタイトルに相応しいツーバスが鳴り響く2ビートナンバー。キャッチーなメロディラインとそこに粘着するように響くHISASHIのギターリフがポイントでサビが2倍のキャッチーさを持っていて非常に耳に残ります。V系寄りなダークな歌詞に、自分の厨二心がくすぐられます。改めて好きなんですよねぇ!

 

4.「LOVE IMPOSSIBLE」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

お気に入りの曲が続きます。「GLAY×EXILE」用に制作されたということで、ダンスロックになっていて16分を刻むベースがいつもと違った感じがします。この曲の兄弟曲に当たる「SCREAM」と確実に違う部分はキーボードにクラビネットしか使っていないということですね。ギターのエフェクターを使ってデジタル感を演出しているのがポイントです。この曲も「SCREAM」と同じく夜の渋谷を連想させる都会的なサウンドになっています。ハモりも多いこの感じやはり思い出しますね。今でもこの曲を聴くと、どこかでEXILEのメンバー達が踊っている幻影が見えます。

 

5.「真昼の月の静けさに」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

映画「草原の椅子」の主題歌。リバースシンセを使った神秘的な雰囲気が漂う前半部分と一変してどこか物哀しく激しくなるサビに二段重ねで展開される。「有明月」の儚さをイメージできる楽曲ですね。行き詰まった聴き手側に温かい手を差し伸べてくれるような歌詞も素敵です。

 

6.「gestalt」(作曲:HISASHI)

 

次の曲に繋がるインスト曲。「JUSTICE [FROM] GUILTY」がひとつの映画を模したストーリーになっているため、この曲はその映画の予告編に使われてそうな感じがしますね。ミッションインポッシブルのような緊張感のあるサウンドになっています。弦楽器が特に印象的で、「青鬼」に追いかけられているあのBGMを思い出す人もいるかもしれません。全般に流れている指令通信みたいなボイスS.Eは、あれは知育玩具の音をサンプリングした音らしいです。

 

7.「JUSTICE [FROM] GUILTY」(作詞:TAKURO 作曲:HISASHI)

 

46thシングル。47thシングルと同時発売、同時発売された今作アルバムの重要なカギを握るHISASHI楽曲。BUCK-TICKの「悪の華」を思い出させるイントロのリフ、エフェクター、更にシンセギターまで使用した変幻自在に化けるギターの音色が炸裂、バックではシンセパーカッションを使ったカチカチ音も鳴っていてHISASHIワールド全開であります。イントロとAメロは「イ長調」Bメロは「ハ調」更により一層ダークになるサビは「変ホ長調」という転調を繰り替えしながら楽曲が展開していくのも注目ポイントです。作詞はHISASHIでは無くTAKUROが作詞を担当しています。映画のようなストーリー性のあるリリックが特徴です。

 

この時期のGLAYは多くの著名人とコラボしていていた印象があります。永野、武井壮、出川の哲ちゃんなどですね。時期が時期なら、この曲のMVに「サンシャイン池崎」が起用されていたであろうと思っている人は自分以外にも絶対いると思います。

 

 

8.「傷だらけの太陽」(作詞:TERU 作曲:TERU)

 

TERU楽曲。あの「太陽の灼熱さ」を体現したようなかなりマニアックな世界観を持つ楽曲です。ギターの音は歪ませまくり、アコースティックギターのカッティングを強調していてボーカルもラジオ風に加工した声を被せて2重になっていますね。どこかレトロ感も感じます。しかしメロディラインはかなり聴きやすくて、あっち側に行きすぎてないのが流石はGLAYという感じがしました。歪みまくったギターとエレキギターがぶつかりあうギターソロに注目です。

 

9.「運命論」(作詞:TAKURO 作曲:JIRO)

 

「Wow Wow Wow Wow...」という47thシングル。46thシングルと同時発売。オーケストラホールを連想させるストリングス陣が奏でる壮大な音色が印象的な楽曲。JIROの楽曲の中でもこのような毛色の楽曲は久しぶりな感じがします。バンドサウンドがここまで控えめなのも意外だなと感じました。かなりストレートな歌詞が印象的で、そこには人間が生きる上での喜びが綴られています。ラスサビでは転調して、クライマックスな展開にも注目です。個人的に帰り道に聴きたい楽曲であります。

 

10.「SMILE」(作詞:TAKURO 作曲:TAKURO)

 

アコースティックギターと前作の収録曲「chelsea」で導入したサンプリング技術をさらに応用した音のみで構成された実験的なサウンドになっていて、どこか聖歌っぽさが漂うこの楽曲の世界観も懐かしの「It's dying It's not dying」を思い出させます。タイトルは「SMILE」であるが、全然SMILEじゃないブルーな歌詞が乗るのもまたギャップがあります。そこに込められていたのは「大変なことも多いけれどそれでも笑っていこうよ」というTAKUROからのメッセージだそうです。

 

いかがでしたでしょうか。個人的に今作は楽曲の持つ”陰”と”陽”の差がかなり強かった印象がありました。まるで、ジェットコースターに乗っているかのような感覚で駆け抜けたのが凄く楽しかったです。それでは次回「GUILTY」のレビューでお会いしましょう。今回もありがとうございました!