「BUTTERFLY/L'Arc〜en〜Ciel」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

brilliant-memoriesのブログ

日常で起きたことや、趣味、自作曲の発表、アルバムレビューとかできたらいいなと思います。

どもどもどもどもどーもくん(?)。今回はラルクの12枚目のアルバム「BUTTERFLY」をレビューしていこうと思います。現時点でラルクの最新のアルバムですね。このブログもついにここまで来ちゃいました(笑)。嬉しいです。今作は前作「KISS」から4年ぶりのアルバムということでシングル曲が多くベストアルバム的なイメージがありますよね。ラルクのベストアルバムでもこの年代(2000年代)のシングル楽曲にスポットを当てたアルバムも少ないので”個人的”には好きなアルバムです。また今作をレビューする上で、面白いと思ったのがこのアルバムの宣伝CM。木村カエラさんのウェンディングソングとして有名な楽曲「butterfly」のMVが流れて最後に「X X X」のMVの一部とともにラルクの宣伝が入るという大掛かりな駄洒落、一体、誰のCMなのか分からん!(笑)。本当に趣向を凝らした宣伝やCM、MVを制作するラルク。最高ですよね。このCMがYouTubeに上がってたのでURLを貼っておきます。

 

 

アルバム「BUTTERFLY」のポイント

 

・シングル楽曲が多いということで1曲、1曲が非常に濃いです。更にここに2006年以降から音源化を望まれていた「Bye Bye」と新曲3曲が組み込まれた構成になっています。しかし、アルバム曲が非常に少ないため、久々のアルバムなのに、残念と思ったファンもいたらしいです。逆に自分は初めてラルクを触れるきっかけになったアルバムで、この出会いをきっかけに徐々に日本のロック音楽に触れるようになってきました。なので今思えば、ここから色んなロックバンドやV系、90年代や00年代の音楽に出会いそこから派生して、自分で歌詞を書いたり、曲を作ったり、軽音系の部活やサークルに入ったりといった、今の生活があると思うので本当に人生を変えたアルバムだったのかも知れませんね。

 

・アルバム名の「BUTTERFLY」は蝶って色んな部分(セクシーだったり、幼い部分があったり)があったりするよね、ということと、「X X X」の歌詞のことも少し触れた上で、コンセプトに似ていたからということで付けられたらしいです。過去に自分が「arkをレビューした際に、収録されたアルバム曲「Butterfly's sleep」がこのアルバムのコンセプトに関係あるのでは無いかという予想をしたのだが、調べてみた結果、特に関係ないと思います。

 

・そして、このアルバムの完全生産限定版には「P'UNK~EN~CIEL」のアルバム「P'UNK IS NOT DEAD」が付いてきております。次回レビュー予定です。そう考えると凄いゴージャスなアルバムですよね。ちなみに、完全生産限定版のこのアルバムは渋谷のTSUTAYAで存在を確認済みなので「P'UNK IS NOT DEAD」を聴きたい方はそこで借りるのもありです。しかしもうひとつの特典であるDVD「ベストヒットLEC」は”DVDナシ”というシールが貼られていたことから、どうやら抜かれてしまっているようです。そんなわけで行ってみましょう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

青→シングル曲 黒→アルバム曲)

 

1.「CHASE」(作詞:hyde 作曲:ken・hyde)

 

39thシングル。2011年の紅白で歌われた楽曲であり、疾走感のあるデジタルサウンド色が強い楽曲。kenちゃんが作ったデモにメンバーの意見を取り入れ、hydeが結構ラインを作り直したことから共作ということになったらしいです。どこかゆっきーの色が強く感じられるがそれもそのはず、クレジットにはゆっきーもプログラミングとして携わったことが表記されてますからね。鬼ごっこを厨二病っぽく表現した歌詞もサウンドにハマり、非常にカッコいい楽曲ですよね。ライブだと低音が気持ちいいです。

 

また、ラルクが「鬼ごっこ」で、GLAYが「かくれんぼ」なのもまた面白いです。

 

2.「X X X」(作詞:hyde 作曲:hyde)

 

38thシングル。ラルクの妖艶な世界観が漂う楽曲。女性目線の官能的な歌詞、R&Bのエキスが注がれたサウンドに、あのゴージャスなMVが揃ってしまったら、もはや美しさの領域を突き抜け神々しさを感じさせますよね。セクシーという要素がをこれでもかというぐらい凝縮されております。曲調も割とコアな部分があるので、これをシングルにしてしかもノンタイアップで1位を獲ってしまうのが凄いです。バンドスコアはまさかのブレイクビーツまでもか完璧に細かく採譜されております。本当にスコアを制作された方、お疲れ様です。また、2010年代のhyde様のイメージとして定着したコーンロウなヘアアレンジもこのMVが初お披露目です。(2000年の紅白でチラッとやってはいましたが...)

 

3.「Bye Bye」(作詞:hyde 作曲:tetsuya)

 

2006年の15周年のライブで新曲として発表されてから、今まで音源化されていなかったがついに今作で音源化されて収録された。少し歌詞も変更されてるようです。てっちゃんのフレンチポップを思い出させるサウンドが昼下がりの代官山や駒沢公園といった都会の自然が香る場所を連想させる日常感のあるサウンドがポイントですね。そしてそのサウンドに少し切なさがある歌詞が乗るのも面白いですよね。高校の卒業を感じさせる部分もあれば、失恋を前向きに捉えようとしているポジティブさも感じられて、いろいろなシチュエーションを考えてしまうのが、歌詞の面白い部分ですね。勿論、この曲のベストシーンは2012年のハワイ公演で泣きながら歌うシーンです。これは是非とも映像を観て欲しいですね。

 

4.「GOOD LUCK MY WAY -BUTTERFLY Ver-」(作詞:hyde 作曲:tetsuya)

 

37thシングル。ハガレンの映画の主題歌にもなり、アニソンとしても認知されている楽曲。今回もてっちゃん作曲で疾走感のある爽快なロックナンバーにあるになっております。通常版ではストリングスを中心としたオーケストラが奏でる前奏があるのですが、今作では端折られ、ギターのアルペジオから開始します。歌詞もラルクからファンへのメッセージやこれからの決意表明という感じに捉えて大丈夫だと思います。この曲は応援ソングなのですが、実はラルクの応援をテーマにした楽曲ってってあまり多くないんですよね。この速く力強いサウンドと歌詞で勇気がもらえたというファンも多いのでないでしょうか。

 

5.「BLESS」(作詞:hyde 作曲:hyde)

 

36thシングル。NHKのバンクーバーオリンピックのテーマになった楽曲ですね。こちらは美しいバラードなのですが、ギターがアコギ中心でエレキがほとんど表に出てこなかったり、オーボエソロがあったり、オーケストラ×バンドサウンドという構造から初期のHYDEソロを連想した人もいたと思います。尚、リズム隊の複雑さはかなりの難易度を誇ります。

 

こちらは選手の身近な人の目線で書かれた歌詞なのですが、個人的に驚いたのが、「頑張れ」とか「絶対できるよ」という、応援ソングならほぼ必ず使われているワードが一切使われてないことですね。それなのに歌詞の伝えたい事がハッキリと伝わり、「やってみようか」と前向きな気持ちになれるんですよ。不思議ですよね。歌詞に込められた魔法って凄く深いです。

 

6.「shade of season」(作詞:yukihiro 作曲:yukihiro)

 

このアルバムでは唯一のhyde様以外が作詞を手掛けた曲ですね。前作のレビューにも書いたのですが、ゆっきーの歌詞って難解かつ幻想的で初期~中期のhyde様っぽさがあるんですよ。この曲も例外ではないです。曲調もダークなのであの頃のラルクを連想した人も多いのではないのでしょうか。またこの曲はkenちゃんがアレンジに大きく携わっていて、ゆっきーの機械仕掛けな世界観でも特にシンセの部分の音作りや重ね方が練られています。注意して聴かないと見落としてしまう音があったりするので、音の構造などを分析しながら音楽を聴く人はバンドスコア片手に読むと色々な発見がありますよ。

 

7.「DRINK IT DOWN」(作詞:hyde 作曲:yukihiro)

 

34thシングルで、収録されたシングル曲の中では1番古いナンバー。「デビルメイクライ4」のテーマソングになった楽曲です。たしか、「1」でもゆっきーがソロの「ring the noise」で、テーマソングを務めているので大好きなゲームと深い関係ができていたのですよね。この曲、まずライブ後の休み期間にゆっきーが3曲作ってそこにkenちゃんがギターを入れて、バカンス帰りのhyde様に2曲を合体させようとなって更にサビの後半部分をてっちゃんが作り直すといったメンバーの様々な意見が反映されてたこの楽曲、つぎはぎ感あってゾンビみたいですね。Bメロとラスサビ前に拍子が変わるのも面白いです。メンバーは凄く大変らしいけど、サビまでの疾走って感じがしてリズムに乗れるので非常に楽しいです。

 

 

8.「wild flower」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

出だしのビブラフォンとストリングスの奏でるメロディから深い森林を連想させるこの楽曲。「虹」「叙情詩」「ALONE EN LA VIDA」の続編ともいえる深いナンバーです。エレクトーンやシンセパッドで厚みを出し、そこからバンドサウンドと合流するのですが、果たしてギターは哀しさを奏でているのか美しさを奏でているのかが個人的に注目すべきポイントだったりしますね。震災を受けて書かれた歌詞は力強さがあっていいのですが、その歌詞も前向きに捉えるのか後ろ向きに捉える事もできるので、この曲を聴く機会があれば、是非この二つの関係性に注目して聴いてみて欲しいです。

 

9.「SHINE(作詞:hyde 作曲:tetsuya)

 

私とラルクの出会いの楽曲。

 

35thシングルの2曲目。裏で鳴っているシンセから、まるで太陽から降り注ぐ光の粒の連想させます。実はこの曲私がラルクに出会った思い出の曲でもあって、かなり特別な楽曲です。まだ幼稚園児だった自分なんですが、丁度その時期の9時台にこの曲がタイアップしたアニメの「精霊の守人」の再放送がNHKで再放送されていたんですよね。特に興味も無くただテレビで流れていただけなんですけどこのOP映像と曲の記憶が凄く記憶に残っていたんですよ。そして数年の時を経て、ラルクファンになった私は、この曲を聴いたときにかなりの初めて聴いたはずなのに久しぶりに聴いたような感覚に陥って、スマホでタイアップ先のこのアニメの存在を知り、OP映像を見たら完全に一致しました。まだラルクを知らないあの頃からテツポップの魔法掛かっていたとは驚きでした。

 

その思い出の写真を貼っておきます。

 

10.「NEXUS 4」(作詞:hyde 作曲:tetsuya)

 

35thシングルの1曲目。思えば35thシングルはどちらもてっちゃん曲なんですね。曲調はサイバー要素を取り入れた近未来的な世界観が特徴で、バンドサウンドにデジタルサウンドの嵐が絡み合うてっちゃんらしい明るいポップロックナンバーとなっております。サビの突き抜け方が電子空間をサーフィンしている感じがしてお気に入りです。歌詞は小説の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」にインスピレーションを受けて製作されたらしく、タイトルもその物語に出てくる犬のロボット名前(NEXUS)とメンバーの数(4)を掛けております。

 

11.「未来世界」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

このアルバムの最後を締めくくるのは小さな頃の夢の中にいるような子守歌。最後の最後に見たことのない新たな引き出し口が現れました。アップライトベースのソロや浮遊感を感じさせるオルガン、イヤホンで聴いていると右チャンネルから流れてくる12弦ギターの音色といった、耳が気持ちよくなれる要素満点で眠れない夜はたまにこの曲を聴いたりします。今風に言えばASMRを聴いているような感覚に陥りますね。睡眠にぴったりな楽曲です。

 

NHKの「みんなのうた」で流れてそうな曲調ですが、まさにみんながそう思っていたのか、ニコニコ動画で、「もしもこの曲がみんなのうたで流れていたら」という動画を見つけて自分の予想してたシチュエーションと一致してて最高だったのでURLを貼っときます。

 
 
はい、そんなわけで11曲レビューしていましたが、いかがだったでしょうか。ラルクってどんな曲でも作れちゃうんだなぁって思いました。やはりメンバー4人が作曲できるということやマニアックな要素を所々に入れてくるから色んなファンができるのではないか、なんて考えたりしちゃいます。おそらくファン100人集めてアンケート取ったら見事にばらけると思うんですね。それが凄いことだと思います。さて、これまで12作のアルバムをレビューしていきましたが、次回は「P'UNK~EN~CIEL」のアルバム「P'UNK IS NOT DEAD」をレビューしていこうと思います。その先、何をレビューするかは、まだ考え中です。亀さんペースでの投稿ですが、楽しみにしてもらえたら嬉しいです。
 
そして、この最新アルバムがリリースされて10年の時を経ていますが、自分もファンとして、いつか新作が出ることを祈り、いつまでも待ってます!!新作が発売された時は是非、バンドスコアも一緒に購入させてください!!