「heavenly/L'Arc〜en〜Ciel」レビュー | brilliant-memoriesのブログ

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ドエルさんでもあり、V系好きのギャ男でもあり、60〜00年代の音楽好きでもある私がお送りするこのブログ。アルバムレビューや自作曲の発表、日常、ブログなどいろんなことをします!

今日は1995年に発売されたラルクの3rdアルバム「heavenly」のアルバムをレビューしていきたいと思います。前作「Tierra」と比べるとかなりの変化が見られるアルバムです。自分自身、sakuraがいた時期に出されたアルバムの中で一番最初に聴いたアルバムがこのアルバムでした。キャッチコピーの「素敵(ヘブンリィ)召しませ。」というワードがキラキラ感を感じられて好きですね。多分ラルクのアルバムの中では「KISS」と並ぶくらい聴いてるかもしれません。

 

アルバム「heavenly」のポイント

 

Tierra」を聴いた後にこのアルバムを聴くとかなり驚くと思います。これまでのラルクの特徴であった「耽美さ、浮遊感、幻想的」といったカラーがかなり後退し、ロックやポップといった様々なフィールドをイメージするような世界観が今作も特徴です。様々なジャンルの要素を取り入れ、1曲1曲ごとにガラリと世界観が変わります。

 

・先ほど書いてしまいましたが、タイトルの「heavenly」は英語で「素敵」という意味ですね。そういえば、ジャケットの女性が誰かわからなくてググってみたら「ビアンカ」っていうモデルさんだそうです。

 

それでは行ってみましょう~~

 

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青→シングル曲 緑→ビデオシングル曲 黒→アルバム曲)

 

1.「Still I'm With You」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

この出だしとこの爽やかな曲調、これまでのアルバムとはテイストのことなるポップロックナンバーで開幕すると言うことで、そのような世界観が広がっているのかワクワクしますバンドサウンドを中心にシンセも彩りをそえていますね。1回終わりかけてまた始まる表現の部分が素敵です。国道134号線を江ノ島や海を眺めながらドライブしたくなるそんなイメージを浮かべながら毎回この曲を聴いていたりします。でもそんな常夏の世界に皮肉交じりのネガティブな歌詞がスコールを降らす...うん、完全に自分の中では夏の曲ですね。

 

2.「Vivid Colors」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

2ndシングル。風に流されてゆくような爽やかなポップロックナンバー。1曲目もそうだけど、この頃のkenちゃんがポップな曲も作ってたのが新鮮ですね。(2004年あたりからまた作ってるけどネ)。この曲のMVは神様のようなHYDE様、美しすぎるてっちゃん、可愛らしいkenちゃん、そしてイケメンすぎるsakuraといった「美の暴力」とも呼べる映像になっています。眩しいですね。このような楽曲の世界観とは裏腹に「列車は彼女を越え」の部分って別れた彼女との日々を乗り越える失恋の歌詞が乗り、切なさを醸し出しています。

 

3.「and She Said」(作詞:hyde 作曲:hyde)

 

2ndビデオシングルとして発売された楽曲であり、めっちゃ転調するhyde曲の元祖ですね。頭のティンパニやAメロのシンセピアノ、サビのオルガンなど見どころがたくさんあるのポップロックナンバーなのが印象的で、バンドサウンドやコーラスがかなりザ・ビートルズっぽい感じがします。また、要所要所にコミカルなパーカスの音などがちりばめられ、遊び心も感じることができますね。

 

「安心せい♪」←ゴメンナサイ...

 

4.「ガラス玉」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

イントロから悲しげなアルペジオで静かに始まり、サビで爆発する曲。この引き込むようなサビのメロディアスさですよ。あまりに素敵すぎて、確実に虜になりますよ。歌詞は”水入〇殺した人”の曲とウワサされていますが正解だと思います。歌詞と共に曲のテンポとは違うスピードで動く懐中時計の音はまさに現実から意識が遠のいているのを暗示してるのではないかと思いますね。サビのシンセパッドも海の中で浮遊してる感覚が想像できます。

 

5.「Secret Signs」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

ジャズ要素を取り入れた曲。歌詞に”エロっぽさ”を感じられるが後に最強のエロソング「Metropolis」に持って行かれちゃったのがちょっと残念ですね。ジャズとエロティックな歌詞ってなぜかマッチするんですよね、絶妙です。アコーディオンやビブラフォン、ウォーキングベースといったジャズ要素大集合って感じがするが、バンドスコアの”テク二シャルシャル・アドバイス”を読んでみるとSakuraがジャズっぽさを出すためにドラムのインチやシンバルなど音に凄くこだわったとインタビューに答えていて、細部にもかなりのこだわりを感じられる楽曲です。

 

6.「C'est La Vie」(作詞:hyde 作曲:tetsu)

 

この曲こそ、私がラルクの中で1番好きな楽曲です。モータウンサウンドを取り入れたてっちゃんの楽曲。跳ねるバンドサウンドを中心にチューブラーベルやオルガンが彩りを添え、可愛さ全開に仕上がっております。でも、あなたのストーリーの中では私は”脇役”なのさっていう、歌詞の少し切ない感じがギャップを生み出し、そこに「C'est La Vie」(人生はそんなものさ)と連呼するサビが来るとなると、無理矢理自分を慰めている感じがして胸が苦しくなります。この曲をライブで生で聴けたら多分、私、泣き崩れるでしょうね。

 

川崎駅の近くに、LA CITTADELLAというスポットがあるのだが、楽曲に映るレンガ街の世界観とかなりそっくりなため、川崎へ来る機会があれば、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 

LA CITTADELLA

 

 

7.「夏の憂鬱」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

ピアノの音やワウギターなどが散りばめられ、夏休みの香りが漂う歌謡曲っぽい感じがする楽曲。しかし、大きな盛り上がりどころが無く気づけば終わってしまっていると言う印象です。後の「夏の憂鬱 [time to say good-bye]」として、3rdシングルとしてシングルカットされます。サビが追加されたり、音色が追加されたりといった歌謡曲からJ-POPへ大きく進化を遂げた楽曲となりました。

 

8.「Cureless」(作詞:hyde 作曲:tetsu)

 

「Cureless(癒やせない)」...もうこのワードからくすぐられます。元々この曲、インディーズの頃に元ギターのHiroが作曲した「記憶の破片」という曲をてっちゃんが作り直した曲であるということで、初期ラルクに見られた「浮遊さ・耽美さ」といったカラー映っているのが特徴。サビで転調するもののひたすら病みの世界へ一直線に溺れていくこの楽曲の世界観はかなり好きですねぇ。個人的にはLIVEでBメロのコーラスをてっちゃんとKenちゃんが一緒に歌うところが好きだったりします。この曲も再披露される際にはコーラスも再現して欲しいです。

 

9.「静かの海で」(作詞:hyde 作曲:L'Arc〜en〜Ciel)

 

やって参りました。「ラルクリスマス」にて22年ぶりに披露され、大勢のファンを感動させた作曲者がL'Arc〜en〜Ciel名義の曲。原案者はsakuraで、このアルバムのラストを思わせる、壮大な宇宙世界へ聴く人を導いてくれます。最初のイルカの鳴き声みたいな音がギターだったと知ったときは驚いたはず。そこからストリングス、銅鑼、うねりまくる5弦ベース、「feel heavenly♪」のコーラス、その裏で大暴走するギターといった、聴き所が盛りだくさんであり、7分間があっという間に感じる美しい曲です。「静かの海」は月にある地のひとつ。そこに取り残されてしまった探査機の視点で描かれるという異色なシチュエーションとなっております。

 

10.「The Rain Leaves a Scar」(作詞:hyde 作曲:ken)

 

しかし、いかにもラストという雰囲気を醸し出していた前曲の後に、最後は凄くテンポの速いハードな曲でフィナーレです。イントロのギターの音色からもkenちゃんのダークな世界観を象徴していたりしますね。そして歌詞も”記憶の中のあなたという存在”を雨は洗い流してくれない。と悲しみを歌っている。そういえば「EVERLASTING」の歌詞もこれに近い感じがします。インタビューで答えていたsakuraはこの曲のドラムを「打ち上げ花火をいっぱい」と表現していたがまさにこの曲を象徴しているワードだと思うのです。

 

 

という感じでレビューを一通り書いていきましたが、徐々にポップな方へ方向転換が見られる楽曲が多く存在していますが、のっかる歌詞はインタビューでhydeが言っていたとおり暗い歌詞が多い印象です。でも、次のアルバムから暗い歌詞も一気に減る印象があるので、今作ならではの歪さを味わうことができます。また、10曲中kenちゃんの曲が6曲。kenちゃん大忙しです。次のアルバムからラルクの名が本格的に知れ渡る事になりますが、その欠片がこのアルバムの曲を通して聴いた際に部分部分にちりばめられてた気がします。まさにブレイク前夜祭という感じでしょうか。

 

というわけでお疲れ様でした。お疲れ様でした。ここまで読んでくださりありがとうございます。

 

 

それでは♪