ブリルベイトです。
私事で申し訳ありませんが、、
先日、肋骨に入っておりましたチタンプレートの
抜去手術を受けまして自宅療養中です。
と言いましても、順調に回復しておりまして
自宅にいてもやることがなく、、事務所でブログを更新しております。
さて、今回のネタは1954年製(初期)のレスポールのコンバージョン作業。
お客様のご希望は、、
●ネックのジョイント角度を三度から四度に変更
●トップをハードメイプルのセンター2Pにリトップ
●仕上がりのイメージは某有名バースト風に
とのこと。
54年製ですが、、ネックのジョイント角度が3度でABR-1を搭載するためには
ABR-1を薄く削らないと搭載できない状態ですし、
ブリッジの位置関係も微妙にずれている、、、。
そこで、思い切ってコンバージョンを!ということでした。
(55年製のレスポールのネックジョイント角度は3度の物も4度の物もあるので、、
ネックジョイントの4度への変更は、、、55年? ただ、54年製でもABR-1を加工せずに
搭載できる4度のギターはあるので、、ここら辺はかなり謎ですね。 このギターに関しては
計測の結果 約3度でした。)
というわけで、貴重なギターですので
打ち合わせを重ね作業開始です。
まずはネックを外すところから、、
綺麗にダメージなくネックを取り外しました。
セルバインディングの回収も試みましたが、、
劣化が激しくひび割れていたので断念、、、。
トップのメイプルを削ってマホガニーボディのみに、、、
ピックアップキャビティとネックポケットは掘りなおすので
ホンジュラスマホガニーで埋め木しておきます。
トップのメイプルは、依頼主のセレクトで左右のメイプルの模様が違う組み合わせに、、
ストックのメイプルの中からいくつもの組み合わせを試して
直接 選んでいただきました。
トップ材を接着後外周を加工。
今回、ヴィンテージのレスポールを分解してわかったことがいくつもありました。
ネックのジョイントや各部の精度は低くく、
かなり粗い造りになっているのですが、音は非常にいいんですよ。
とにかくヴィンテージの音がするし
サスティーンもトーンも抜群に気持ちが良い。
もちろんネックのジョイント角度も3度だし、、
細かいところはバーストと仕様が違うんですが、、
古いレスポールの音が出るんですよね。
つまりは、、、精度や細かい仕上げは、、、
音 に 全 く 関 係 な い
ということが改めてはっきりしたわけです。(笑)
緩めに掘られたネックジョイント部にたっぷり接着剤を入れてネックは付けられているし
特別な木材で作られたわけでもない、、、。
それでも、現行品では絶対に出ない音がするんです。
(ネックジョイントの接着のあまさには本当に驚きました。
現行品のギターよりも簡単に外せてしまった、、涙)
精度や造りでいえば、、
絶対的に現行のレスポールのほうが良いギターだし、、
各部の仕上げも完璧なはず。
ほんとうに古いギターは不思議です。
ネックのジョイント角度が3度から4度に変更されたので隙間が空いています
ボディ側に掘られた4度のネックポケットに合わせてネック側も4度に加工。
綺麗にジョイントされました。
ピックアップキャビティを加工。
ようやくギターの形に戻りました。
ピックアップの位置、ブリッジの位置、ポットの位置、、
すべて58年のバーストから採寸した位置と形状で加工させていただきました。
塗装作業に入ります。
まずはウッドフィラーから、、。
塗装中の画像がまったくなかったので、、、いきなり組み込みの画像です。
この写真、、、ピントが背景にいってます、、、涙。
そして、、何度アップロードしても横向き表示、、、。
ヴィンテージギターのお仕事は
いろんな意味で大変なことが多いのですが、、
今回のコンバージョン作業も本当に勉強になりました。
こういったお仕事をさせていただけるのは、、
本当に幸せだなと思います。
ま、作業中は、、あまりの緊張感でピリピリしておりましたが、、、w