ネームカウンセラーの渡辺愛理です。
カウンセラーをしていて、よく相談されることは、
「家族(友人)が落ち込んでいて、何とかしてあげたいのですが、どう接したらいいですか?」
「家族(友人)のためになることをいつも考えて行動しているのに、疎んじられてしまいます。」
というお悩み。
とても家族(友人)思いで、優しい方が多いのですが、
それが過ぎてしまうと、
「家族(友人)のためにこんなにしているのに、なんで私ばかりこんな思いをしなくてはいけないのでしょうか・・・」
というお悩みに変わってきます。
人のため・・・
とても美しい精神ですが、
それはほんとに人のためになっているのでしょうか?
「何とかしてあげなきゃ・・・」
という気持ちの裏には、
「自分のほうが優れているから、私が何とかしないと相手は何もできない」
という気持ちが隠れていませんか?
そして、人はその気持ちの裏を、ものすごい嗅覚で察します。
人のコミュニケーション能力はすごい!
交流分析という心理学では、このことを
「ディスカウント=値引き」
と呼んでいます。
「ディスカウント」をされることは、人の尊厳を傷つけることです。
なので、自分では親切をしているつもりでも、
相手は嫌な気持ちになり、怒ることもあります。
自分が親切でしたつもりなのに、相手にすごい剣幕で怒られてしまったとき・・・
特に、思春期の子どもはこんなことがよくあります。
お母さんは、いつまでも小さい子供のつもりで、
「あれはしたの?これは?」
と口出ししすぎると怒る心理はそういうことなのです。
ひどい話では、中学校の男の子に対して車で出かけるときに、お母さんが
「おしっこはしたの?」
と他の人の前で言ったそうで・・・
もう幼稚園児ではないのに、おしっこの世話までされたら、
子どもはキレて当たり前です。
私も、それは親心・・・と長い間思って、その親心を子どもに押し付けてきて、
そのたびに子どもに怒られてきたので、偉そうなことは言えませんが、
「転ばぬ先の杖」
は、いらないのだと、カウンセラーの仕事をするようになって、ほんとによくわかるようになりました。
転んで、失敗して、痛い思いをして、
そして、人は成長するのだと。
それを口出ししたくても、ぐっとこらえて、見守るのが親なのだと。
なかなかできないことも多いのですが、
毎日注意しながら子育てをしていこうと思います。