昨年12月に新しく保険適用となった「PEEK冠」について、今回はまとめてみたいと思います。
従来のCAD/CAM冠は、ハイブリッドレジンで作られているため、強い圧力が加わると、割れてしまうことがありました。
一方、PEEK冠にはセラミックが含まれていないことから、従来のCAD/CAM冠よりもたわみやすく、破損しにくいという特長があります。
PEEK冠には、従来のCAD/CAM冠より靭性(じんせい)が高いため、破折リスクを減らすことができます。
被せ物を薄く作っても壊れにくいことから、歯の切削量も従来のCAD/CAM冠より減らせるのです。
PEEK冠は素材の性質上、アイボリー色を呈しているため、従来のCAD/CAM冠よりやや不自然な印象を受けることかと思います。
従来のCAD/CAM冠は、前から6番目の歯までしか使うことができませんでしたが、PEEK冠は7~8番目の歯まで保険で使えるようになったため、CAD/CAM冠の適応外の範囲をきれいにカバーできます。
欠点としては、プラスチック製のPEEK冠は、治療から2年も経過すると変色や摩耗が進み、場合によっては寿命を迎えることもあると考えられています。
また、従来のCAD/CAM冠と同様の接着性レジンでは対応していない場合が多いため、自院のシステムがPEEK冠に対応しているかも確認が必要であります
以上、「新しい歯科材料PEEKについて」でした。